加藤綾子にインタビュー「お母さんを目指したいかな」
自分自身の今に影響を与えた人物や、ターニングポイントとなった出来事、モノ、場所との出合い。それをきっかけに変化し成長した自分を振り返る。加藤綾子のビフォー&アフター。
──フリーに転身されて1年が過ぎました。仕事上の変化はありましたか。
「まだ一人でMCを担う仕事がないので、そんなに変わった感じはないですね。ただフリーになって、自分のことを語る機会が増えましたし、自分の色を出すことを意識するようになりました」
──MCは楽しいですか。
「はい。基本的にものすごくおしゃべりが好きなので。子どもの頃から家でも学校でもよくしゃべっていました。声が大きくて、先生によく怒られたり。人付き合いについては、深く交流する人が広く多くとはならないのですが、初対面の人とお話しするのは全く苦ではないです」
──もしかして、本番前もおしゃべりしているタイプ?
「さすがに緊張している時はあまり話さないですね。自分の世界に入りたいというか。本番前はたいてい台本を読んで気持ちを集中させます」
──こうしてお話ししていると、いい声だなあとウットリしますね。
「アナウンサーになった後、大学時代の友達から『テレビで綾子の声を聞いても、最初は誰かわからなかった』と言われました。アナウンススクールに通って、発声などが変わったのかもしれません」
──そもそもアナウンサーになろうと思ったきっかけは?
「入社試験を目指そうと思ったのは、当時付き合っていた人から『受けてみたら?』と勧められて。それでアナウンススクールに通い出したんです」
──それまでは音大でクラシック音楽の勉強をなさっていたのに?
「はい。音楽の先生になろうと思っていたので。伝えるという意味ではアナウンサーも音楽の先生も同じ。自分では違いを感じなかったですね。あと小さい頃から音読するのは好きだったので、アナウンススクールで声を出して読むことが面白いなあと。そんな感覚が後押ししたかもしれません」
──アナウンサーという仕事が自分に向いていると思えたのは、いつのことですか。
「私、この仕事に向いてる!とは、あまり思っていないかもしれないです。他に選択肢があるわけではなかったから。音楽の先生を目指してはいましたけど、いまアナウンサー以外に自分にできる仕事ってないんだろうなと思いました」
──では今、どんな仕事でも目指せるとしたら何をしたいですか。
「バリバリ仕事をしたいとはあまり思っていなかったんです。家にいることが好きでしたし、こんなに仕事を頑張る自分も想像がつきませんでした。子どもの頃の夢が、お家でピアノの先生として教えることだったくらい。もともと、あれしたい、これしたいという欲がなかったんですね。物心ついたときにはピアノを習っていたし、自宅で子育てしながらピアノを教えるのはすごくいいなあと憧れていました。ですから、いま私が仕事をしていることに周りの友達はびっくりしていますよ」
Photo:Masato Moriyama
Styling:Akemi Sugiyama
Hair & Makeup:Seiko Yamauchi
Interview & Text:Maki Miura
Edit:Saori Asaka