東京は今、コーヒーカクテル黄金期!【エディターたちの東京よもやま話】 | Numero TOKYO
Life / Food

東京は今、コーヒーカクテル黄金期!【エディターたちの東京よもやま話】

普段から旬のおいしい情報を求めて東へ西へ駆け回っている小誌編集部員たちが、おにぎりに続き、近頃ブームの「コーヒーカクテル」について語ります。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年3月号掲載)

食いしん坊エディターたちがチャット中

編集C 酒呑みの白米ラバー。髪型は万年おにぎり

編集Y 編集部随一のフーディ。いまは辛ラーメンを探求中

編集M おにぎりは明太子派。フードエッセイが大好き



 

おにぎりの他に、最近の東京のフード事情や注目しているトレンドはありますか。

ここ最近、バーのみならずカフェやレストランなどでもコーヒーカクテルを飲めるお店が増えてきました。一過性のブームでなく、定番化しつつさらにブラッシュアップされている印象です。三軒茶屋の老舗「BAR CIELO」もコーヒー専門店を昨年オープンさせるなど、盛り上がりが見えます。

個人的には、食事の〆としてのコーヒーとお酒が一度で二度楽しめて、お得な気分になれるので好きです(笑)。

コーヒーが飲みたい…でももうちょっとお酒もいける…と酔いどれて優柔不断になるので、その気持ちがよくわかります(笑)。

そういえば先日Yさんおすすめのカフェバー「æ」に行ってみました! 常連さんや外国人観光客の方々で賑わう平日の昼間の訪問でしたが、落ち着いたインテリアに加えて照明がほんのり暗め。リラックスできる雰囲気なので、一人でカウンターに着いて迷わずカクテルをオーダーしました。

シグネチャーのエスプレッソ・マティーニの中でもスタンダードな、浅煎りのゲイシャブレンド、ウォッカ、黒糖の組み合わせを選んだのですが、すっきりと甘さのバランスが良くてスルスル飲めちゃう。ふわっふわの泡があっという間に分離していくさまが琥珀色の夕暮れのようで、グラスを眺めている時間も心地よかったです。

たまごサラダが添えられたエッグプレッソトーストも美味。普段はカフェに入ればPCを開いて、煙が出そうなぐらい鬼タイピングしている私ですが、そんな己の生活を見直したくなりました(笑)。

明るい時間から飲めるなんて最高ですよね! 「æ」は東京のバーシーンを牽引するSG Groupと、バリスタ日本チャンピオンに三度も輝いたコーヒーのプロによる最強タッグです。エスプレッソ・マティーニも深煎り・浅煎りが選べたり、麦・芋・米と3種あるオリジナル焼酎との組み合わせも計算し尽くされ、こだわり満載。廃棄物ゼロを目指した取り組みも素敵です。

かなり本格的なんですね。桜新町の「OGAWA COFFEE LABORATORY」は、豆の種類から抽出方法までバリスタに好みを相談できるのですが、カクテルメニューも充実していました。

エスプレッソ ジントニックに、コーヒーハイボール、コーヒー豆をマスカットの蒸留酒に漬け込んで作るカクテルや、ピニャコラーダにエスプレッソを合わせたマンゴー カフェ コラーダなど、コーヒーとアルコールの意外なマリアージュに新しい扉が開きました! 考えてみたら、コーヒーの実もフルーツの一種ですもんね。一つの素材としてどう扱うか、いろいろな可能性が広がりそうです。

それでいうと、ぜひ行ってほしいお店があります。バーテンダーの野村空人さんがオーナーを務めるバー「Quarter Room」です。

アートとその年代に生まれたクラシックカクテルを掛け合わせ、そこからインスパイアされたカクテルが独創的なんですが、ここではクランベリージュースで抽出したコールドブリューコーヒーを使っているんです。

エスプレッソ・マティーニや、アフォガードを再解釈したカクテルで味わえるのですが、すごくフルーティーで飲みやすく、果実としてのコーヒーを感じました。一緒に行った編集部のNさんはコーヒーが苦手で飲めないのですが、「これはおいしい!」と気に入っていました。

コンセプトも面白いですね。気になります! コーヒーカクテルと一言で言っても、千差万別でさまざまなアプローチがあって、いろいろ飲み比べてみたくなりました。

自分の好みを見つけて深掘りするのも楽しいですよね。バーなら、バーテンダーの方に希望を伝えてオーダーするのもおすすめです。リニューアルしたウェスティンホテル東京のバー「エスカリエ」に行って、コーヒーを使ったカクテルをお願いしてみました。

創作いただいたのは、ラムにカカオリキュール、コーヒーを合わせてサイフォンで抽出し、生クリームをのせたオリジナルのカクテルです。サイフォンを久しぶりに見ましたが、温めるこのひと手間でアルコールがおだやかになり、コーヒーの酸味も爽やかになるのだそう。ラムとコーヒーのまろやかな味わいが冬の寒い日にぴったりで、ほっこりと満たされました…。

東京タワーがそびえる夜景を目の前に、ラグジュアリーな空間で背筋が伸びる雰囲気もまたいいな〜と。

おにぎりとコーヒーカクテル、どちらも素材はシンプルだからこそ、奥深い世界ですね!

エディターたちの東京よもやま話


Edit: Chiho Inoue, Yukiko Shinto, Mariko Kimbara

Magazine

NOVEMBER 2024 N°181

2024.9.28 発売

Instinctive

直感で選ぼう

オンライン書店で購入する