是枝監督に出会い、“父”となった福山さん。 | Numero TOKYO editor
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是枝監督に出会い、“父”となった福山さん。

明日発売のNUMERO TOKYO 11月号にて、映画そして父になるを監督した是枝裕和さんにロングインタビューさせていただきました。初披露のカンヌ映画祭では、鳴り止まないスタンディングオベーションで国境を越え、世界中の人に感動を与えた作品。

 

6年育てた息子が取り違えられた他人の子どもであった。

この2つの家族を通して語りかけられるのは、家族とは「血」か「一緒に過ごす時間」なのか。

あまりにも残酷な現実によって問いかけられる「家族とはなにか?」を、

自身も愛娘を持つ”父”である是枝監督が、真っすぐに見つめて浮き彫りにする人間の強さと弱さ。

エリート街道を駆け上がるように生きてきて、自分の力で勝ち取れないものはないと信じる福山さん演じる主人公。

まだ6歳の息子が時々みせる不器用さや優しすぎる部分、そして開花できる才能を発揮できないことに対して、

彼は疑問の表情を子どもや妻に隠すことがなくおもむろに表し、女性の私からこの主人公を見ていると、なんだかイラッとくるような、そういうイヤなヤツを福山さんは見事に演じています。

映画は子どもより子どもっぽい、このエリート主人公が人間として、父親として一歩づつ成長する物語。

「福山さんって、実は本当にイヤな人なんじゃない!?」と思わず疑ってしまうほどに、俳優・福山雅治の演技力が本当に素晴らしいのです。福山さんの才能の奥深さを目の当たりにした感じでした。

 

 

まず、福山雅治さんのほうから「今までやってきたような作品とは違う、監督の作品の住人になるようなものに関わってみたいのでチャンスがあれば」と是枝監督へラブコールがあったことがこの映画のはじまりだったそう。

その後、是枝監督が4つほどのプロットを提案し、父親役をまだ演じたことがないと聞き、さらに新しく考えたプロットを、福山さん自身が選んだ。だから、「そして父になる」という映画そのものが、俳優・福山雅治がいなければ作られていなかったと。

作品に対して語ってくださった是枝監督の目がキラキラと輝いていて、まるで少年のように見えたのがとても印象的です。

「いい作品をつくりたい」…監督としてのこの熱い思いが彼が語る言葉から伝わってきて、

お話させていただいていた私たちまでもが、とてもいいエネルギーで満たされました。

今回のインタビューでは「そして父になる」にまつわるお話だけでなく、

『幻の光』『ワンダフルライフ』『誰も知らない』など、国際的に評価される作品を数々生み出してきた是枝監督自身の、

監督としての歩みもじっくり伺うことができました。

是枝監督という人間が作るものだからこそ、日本だけでなく世界で通じる素晴らしい作品を生み出すことができる、ということをよく理解できます。

みなさまにも、ぜひご覧いただければ嬉しいです。

そして、「そして父になる」は明日公開です!

 

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