アートディレクター・映画監督の千原徹也主宰のクリエイティブスタジオ「れもんらいふ」は、ワークスペースとセレクトショップが一体化した「LEMONLIFE WORK & SHOP HARAJUKU, TOKYO」としてリニューアル オープン。“働く”と“街歩き”が交差する新たなクリエイティブ拠点として、今後さまざまな発信を行う。
原宿・神宮前交差点のランドマーク、ハラカドに事務所を構えるれもんらいふは、従来のオフィス機能にセレクトショップを加えた新スペースとして生まれ変わる。ショップでは、れもんらいふのオリジナルブランド、キストーキョー(KISS,TOKYO)や千原がクリエイティブディレクターを務めるファッションブランド、原宿スポーツクラブ(HARAJUKU SPORTS CLUB)のアイテムに加え、ハラカドに入居する他のテナントとのコラボ商品、千原おすすめのレコードや雑貨などを販売する。

ニューオープンした「LEMONLIFE WORK & SHOP HARAJUKU, TOKYO」のコンセプトは、“デザインをするだけがデザインじゃない”。千原が発表したステイトメントによると、通常ならマンションの一角で事足りる事務所機能を、あえて都心の一等地に構えた理由について、そこから生まれる「偶発的」コミュニケーションの価値にあると説く。それは、千原にとって「デザインとは何か?」という問いに対しても、ある種の導きを与えてくれるものだったと付け加える。
「(中略)偶然通りかかった人から仕事の発注を受けたり、学生が作品を突然持ってきたり。他のテナントが遊びにきたり、クライアントが突然尋ねてきてくれたり。この場所にいると、そんな光景が毎日、目まぐるしく続きます。これだけ人と会っていると、『デザイン』とは、何のためのツールなのかと考えます。モノを飾る機能なのか? 美しさを追い求める作業なのか? 人を説得するアテンションなのか。視覚的なことだけではなく、もっと大きな意味が、その言葉(デザインをするだけがデザインじゃない)には詰まっている気がしています」。(千原徹也)
実際に「LEMONLIFE WORK & SHOP HARAJUKU, TOKYO」の店内には、レンタル&コラボスペース『L SPACE』を併設しており、利用者は商品の販売やアートの展示など、思い思いの用途で使用できる。仕事やショッピングだけではない、何か「偶発的」なコミュニケーションが生まれる「場」としての期待も大きい。 なお、ショップでは現在はオープンを記念して、ロゴ入りのオリジナルTシャツを販売するほか、3,000円以上購入するとノベルティとして千原のメガネをモチーフにした「HOW’z × LEMONLIFE WORK & SHOP」特別コラボ「千原メガネクッキー」をプレゼント。こうした遊び心もまた、コミュニケーションを育む一助となるだろう。
「原宿で、一緒になんかやろう」。これは、れもんらいふが掲げるスローガンだ。その言葉通り、千原が学長を務めるハラカドが拠点のクリエイティブ専門学校「Re:DESIGN SCHOOL 専門学校を再デザインする」は、前年度の好評を受けて2025年度の受講(特別講師として『Numero TOKYO』元編集長 田中杏子も参加予定)を対象とした第2期生を募集するなど、この街から新たな潮流が生まれている。れもんらいふのさまざまな取り組みを注視しつつ、これから原宿の景色が変わっていくのを見届けたい。
LEMONLIFE WORK&SHOP
住所/東京都渋谷区神宮前6丁目31-21 東急プラザ原宿「ハラカド」れもんらいふ302
営業時間/11:00~19:00
TEL/03-6418-9301
URL/lemonlife.jp/
Text: Tetsuya Sato