
京都市中京区、世界遺産・二条城にて「アンゼルム・キーファー:ソラリス」展が公開中だ。ドイツの現代美術作家の巨匠・キーファーにとってアジア最大規模となる。
1945年3月にドイツで生まれ、現代で最も重要なアーティストの一人として知られるアンゼルム・キーファー。あらゆるメディアを用いた制作と、幅広いテーマとモチーフで人類の在り方と歴史の円環的な性質を探求してきた。
本展では33点の絵画と彫刻が、二条城の屋内外にて公開。キーファーの願望と責任、また現代物理学と禅仏教の親和性、ジャポニズムが与えた影響の考察、19世紀から20世紀にかけての日本とドイツの並行する歴史的発展の比較など、5つのセクションで構成された。
狩野派による数々の金碧障壁画に彩られた二の丸御殿と同じ敷地では、近年キーファーが繰り返し使用する「金」を用いた作品が公開。江戸時代初頭以降の日本と西洋における美学、哲学、政治の関係性と親和性を考察する出発点となる。

また、圧倒的なスケールの力強い絵画や彫刻のインスタレーションで知られるキーファー。見るものを驚嘆させながら、歴史、哲学、宗教、文化に対する深淵な問いを投げかけてきた。今回会場では高さ9メートルの翼の生えたパレットの彫刻『ラー』や、本展のために制作された幅10メートルの絵画『オクタビオ・パスのために』が公開されている。



キーファーは本展を通して「人類はなぜ同じ悲劇的な歴史を繰り返すのか」と問いかける。第二次世界大戦の終結と広島・長崎への原爆投下から80年を迎える今年、今一度考えたい。会期は6月22日(日)まで。

※掲載情報は4月16日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
「アンゼルム・キーファー:ソラリス」
会期/2025年3月31日(月)〜6月22日(日)
会場/世界遺産 元離宮二条城 二の丸御殿台所、御清所等
住所/京都市中京区二条通堀川⻄入二条城町541
時間/9:00〜16:30 ※最終入場は16:00 ※二条城の最終入場は16:00、17:00閉門
料金/一般2,200円、京都市民・大学生1,500円、高校生1,000円、中高生以下無料ほか
※別途、二条城への入場券の購入が必要 ※日時指定の事前予約制(予約に空きがある場合は当日券も現地で販売) ※二条城の券売所では購入不可
URL/kieferinkyoto.com/