日本でも注目を集めるアミ(AMI)が、2025年2月にパリのマレ地区にブランド史上最大規模となる旗艦店をオープンした。
アレクサンドル・マテュッシが2011年にパリで立ち上げたアミは、名門メゾンでの経験を活かし、パリの街並みや友人、家族との何気ない日常からインスピレーションを得たデザインが特徴。シンプルながらも存在感のあるリアルクローズは、トレンドを取り入れつつ自然体で楽しめるスタイルが魅力だ。シーズンを重ねるごとに世界中のファンを増やし、今やパリ発の人気ブランドとして確固たる地位を築いている。
そんなアミの新たな旗艦店は、総面積600平方メートルを誇り、2フロア構成。同ブランドのメンズ、レディースウェアやアクセサリー、そしてホームウェアグッズまでのフルコレクションが展開され、日本ではなかなかお目にかかれないアイテムを手にとってアミ パリスを体感することができる。ファンにとって夢のような空間だ。
このエキサイティングなニュースに、デザイナーのアレクサンドル・マテュッシも胸を躍らせている。「パリはアミの故郷であり、私のインスピレーションの源でもあります。この新店舗のオープンは、私たちの存在感をさらに強める大きな一歩です」とコメント。フランス国内外から訪れる顧客や友人を迎えるために、より広いスペースが必要だったという背景も明かした。また、ブランド名のアミは、フランス語で「友人」を表す 言葉であり、自身の名前(Alexandre Mattiussi)の頭文字を取ったもの。まさにそのブランド哲学を見事に体現する店内となっているのだ。
設計を手がけたのは、パリを拠点に活動する建築家デュオ、Studio KOのオリヴィエ・マーティとカール・フルニエ。ユーヴィル石を贅沢に使用し、棚やテーブル、フローリングとのコントラストを演出。温かみのある素材が織りなす調和のとれた空間が、ブランドの世界観を際立たせている。ウィンドウには石の棚や鏡張りの金属を用い、モダンな雰囲気をプラス。さらに、店内の什器にはアレクサンドルの自宅から持ち込んだものもあり、まるで彼の家に招かれたような心地よい空間が広がっている。
エントランスを抜けると、槌目仕上げのテーブルにアイコンバッグ「ル デジャヴ」や花々がディスプレイされ、小上がりのスペースにはラックに2025年春夏コレクションの最新ウェアが並ぶ。
そのまま同フロアの奥へ進むとレディースウェアがセットされ、鏡張りの螺旋階段を上がるとメンズフロアになっている。アイテムが陳列されているというより、まるでアートピースのように展示されているのが特徴だ。
また、この旗艦店限定で、サーキュラー・ファッションを取り入れた『AMI For Ever』プログラムを導入。サーキュラー・ファッションとは資源を循環させるアプローチで、アミのセカンドハンドアイテムを店舗に預けると、オンラインストアで使用できるバウチャーと交換可能。持続可能なファッションの新たな形を提案している。
最後にアレクサンドル・マテュッシからNumeroTOKYO読者に向けてメッセージを寄せてくれた。「このストアは、Studio KOの2人と作り上げた美しいスペースにクリエイティブを存分に味わえるフルコレクションをまとめて展示しているのもポイント。AMI(友人)のみなさん、ぜひパリ旅行の際は訪れてください!」
ファッションと建築の融合が生み出す、新たなアミの世界。パリの新名所となること間違いなしのこの店舗に、ぜひ足を運んでみてはいかが。
AMI Paris Le Marais
住所/96 rue de Turenne, 75004 PARIS
電話/+33 6 65 87 10 38
営業時間/水~土 10:30~19:30
日 13:00~19:00
Text:Shiori Kajiyama