NADiff a/p/a/r/tまもなく閉店。最後の個展はChim↑Pom from Smappa!Group
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NADiff a/p/a/r/tまもなく閉店。最後の個展はChim↑Pom from Smappa!Group

東京・恵比寿のアート書店/ギャラリーのNADiff a/p/a/r/tのフィナーレを飾る展覧会Chim↑Pom from Smappa!Group「ほたるのひかり」が開催中だ。開店以来17年におよび醸成してきたアートシーンのひとつに注目を。

東京のアート書店×ギャラリーの代表格として知られるNADiffの旗艦店NADiff a/p/a/r/t。惜しまれながらも2025年3月で閉店となる。そのフィナーレを彩る展覧会、Chim↑Pom from Smappa!Groupの展覧会「ほたるのひかり」が同店閉店日まで開催中だ。

NADiff a/p/a/r/tは2008年7月7日オープン。一発目の展覧会として開催されたのが、Chim↑Pomによる「日本のアートは10年遅れている 世界のアートは7、8年遅れている」だ。ホワイトキューブとなるはずだった新しいギャラリーの床を「汚水」で水没させ、剥き出しの壁には落書きを施し、まるで廃墟のようになったその空間に蛍を放つという、破天荒なインスタレーションとパフォーマンスで来場者を圧倒した。

その後、壁画群はホワイトキューブの壁に封じ込められ、長年にわたり閉ざされてきたという。2018年、10周年を迎えたNADiff a/p/a/r/t は、再びChim↑Pomによる展覧会を開催。10年前の壁画群が再び姿を現し、ギャラリー内部には再び汚水の池がつくられ、一階に仮設されたトイレとともに構成されたインスタレーション『恵比寿の泉』を公開した。

オープン以来17年の間に、ホワイトキューブで開催された展覧会は146回。同店にとって最後の展覧会もChim↑Pom from Smappa!Groupによるものだ。本展では、地下階の壁画群が再び公開され、その壁画を長年封じ込めていた白壁が展示の主役となるという。また、本や商品の販売が行われてきた1階では、地下から掘り出された「物質」や、昨年に雨漏りの被害を受けたChim↑Pomの倉庫で保存状態が危うくなった「掘り出し物」などが並ぶガレージセールを開催。NADiffが扱ってきた書籍のために、Kioskと化した物販スペースも出現する。

展覧会タイトル「ほたるのひかり」は、こけら落としの際に放たれた蛍に由来すると同時に、NADiffの閉店そのものを象徴し名付けられたそう。オープン時に掲げられた「日本のアートは10年遅れている 世界のアートは7、8年遅れている」という言葉。そして、その壁画を封じ込めていたホワイトキューブの中で繰り広げられた無数の展覧会。NADiff a/p/a/r/tとChim↑Pom from Smappa!Group、そして日本のアートの17年が複雑に交差するこのフィナーレを、ぜひ目撃して。3月15日(土)14:30〜は、かれらによるトークイベントも開催される予定(予約不要、入場料無料)。会期および同店の営業日は3月23日(日)まで。

※掲載情報は3月12日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

Chim↑Pom from Smappa!Group「ほたるのひかり」
会期/2025年3月8日(土)~3月23日(日)
時間/12:00~20:00
会場/NADiff a/p/a/r/t 1階
住所/東京都渋⾕区恵⽐寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
URL/www.nadiff.com/?p=32451

Text:Akane Naniwa

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