【ライブレポート】SHINee、6年ぶりの東京ドームで打ち立てた新たな伝説 | Numero TOKYO
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【ライブレポート】SHINee、6年ぶりの東京ドームで打ち立てた新たな伝説

撮影:石井亜希(田中聖太郎写真事務所)
撮影:石井亜希(田中聖太郎写真事務所)

SHINee(シャイニー)が2024年2月24日(土)・25日(日)の2日間、「SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION] JAPAN FINAL LIVE in TOKYO DOME」を開催した。2023年にスタートしたアリーナツアーのラストを華々しく締めくくる、東京ドームでのスペシャルな公演! その初日をレポートする。

2023年にデビュー15周年を迎えたSHINee。8月には韓国8枚目のフルアルバム『HARD』をリリースし、約2年2ヶ月振りのカムバックを果たした。9月からはさいたまスーパーアリーナを皮切りに、4都市全8公演を周る日本アリーナツアーを開催。今回の東京ドーム公演は、実に6年ぶり。この2日間のために用意されたスペシャルな内容に期待が高まる。

見渡す限り、グループカラーであるパールアクアグリーン色のペンライトで染められた幻想的な東京ドーム。オープニングの映像が流れ、5人のシルエットがアニメーションで映し出されると、会場はより一層大きな歓声に包まれた。ステージから巨大なスロープが突き出し、KEY、MINHO、TAEMINの3人が登場。ゴールドの刺繍が入った白いジャケット×パンツの装いは、2015年に初めて東京ドーム公演を行ったときの衣装をイメージしたものだそう。感慨深いシャヲル(SHINeeのファン)も多かったはず。

撮影:田中聖太郎
撮影:田中聖太郎

「SHINee’s Back!」のコールが響き渡る中、「Clue+Sherlock」で幕を開け、途中から日本語バージョンになるスペシャルなアレンジでスタート。続いて「Picasso」、「Stranger」、ムービングステージでアリーナ席にいるシャオルの頭上を移動しながら「君のせいで」、横に長く伸びたセンターステージで「Get The Treasure」、マイクスタンドを使った振り付けの「Dream Girl」と立て続けに披露し、息をつく暇もなく最初からエネルギー全開のパフォーマンスで会場は早くも沸点に達した。

最初のMCでは、「東京ドームといえば、SHINeeにとって特別な思い出がある場所です。最後の東京ドームのライブが2018年7月のファンミーティングでした」(KEY)、「そのときから6年かけて、また改めて東京ドームで皆さんの前に立つことができてうれしいです」(TAEMIN)、「今日は3人、たくさん気合いがあります!」(MINHO)、「皆さんの思うよりは結構準備をしてみました(笑)。昔のSHINeeを思い出すことができる曲をたくさん準備したので、楽しみにしてください」(KEY)と話した。

TAEMINの「次は前のツアーでもやった楽しい曲です!」という曲紹介の後、「Good Evening」でメインステージに戻り、ダンサーたちのパフォーマンスタイムに突入。

撮影:石井亜希(田中聖太郎写真事務所)
撮影:石井亜希(田中聖太郎写真事務所)

衣装をチェンジして、ロックなアレンジの「HARD」、炎を上がる演出が雰囲気満点の「Don’t Call Me」、レゲエビートで会場をグルーヴに巻き込む「Body Rhythm」、そして「JUICE」と近年の楽曲も披露し、片時も目が離せない瞬間が続いた。

撮影:石井亜希(田中聖太郎写真事務所)
撮影:石井亜希(田中聖太郎写真事務所)

2回目のMCでは、KEYが「ちなみに最近、何してますか?」と問いかけし、メンバーが近況を報告。「僕はドラマの撮影が終わりました。そのあと、頑張って公演を準備しました」(MINHO)、「韓国で1月にKEYLAND ON:AND ONというライブをやって、できれば皆さんにも……。何かお知らせがあるかもしれません」(KEY)、「12月に皆さんも応援に来てくれましたけど、METAMORPHというソロコンサートをして、まもなく3月に武道館で3日間コンサートをします」(TAEMIN)と、それそれのソロ活動も充実ぶりを見せた。TAEMINは「2階・3階、遠くにいるお客さん。皆さん目がいいですよね? ちゃんと大きく見えるように頑張って踊っています」と語りかけ、すべてのフロアのファンへの思いやりがこもった言葉も印象的だった。

金谷龍之介(田中聖太郎写真事務所)
金谷龍之介(田中聖太郎写真事務所)

続いて、「Everybody」で難易度の高さにも関わらず一糸乱れぬダンスを見せたあと、シャヲルの掛け声が爆発しTAEMINのロングトーンに歓声が湧き上がった「Lucifer」から、バックステージに舞台を移した「View」、トロッコに乗って外周を周りながら「Downtown Baby」と「LUCKY STAR」まで歌い、名曲のオンパレード。

VCRが開けると、衣装を着替えて「Replay」、「Love Like Oxygen」、そして「Your Number」と大人の魅力に酔いしれた。「みんな一緒に歌って!」と呼びかけた「Keeping Love Again」や、黄金の光が会場を包み込んだ「Fire」など往年の曲も満載。

撮影:金谷龍之介(田中聖太郎写真事務所)
撮影:金谷龍之介(田中聖太郎写真事務所)

「Diamond Sky」では、指でダイヤモンドの形を作って手を挙げる動作で東京ドームが一つに。そして「LOVE」ではMINHOがうるうるした瞳を見せ、会場の涙を誘った。

撮影:田中聖太郎
撮影:田中聖太郎

アンコール前には、シャヲルが「君がいる世界」を美しい歌声でプレゼントし、温かい空気でいっぱいに。アンコールでは3人がフロートカーに乗って登場し、サイン入りのフリスビーを客席まで飛ばす大サービスで大盛り上がり。「Super Star」、「Runaway」、「The Feeling」と続き、バックステージに移動しての「Colors of the season」ではKEYが静かに涙を流す姿を見せ、ラストは「1000年、ずっとそばにいて」で感動的なフィナーレを迎えた。スローガンイベントでは、座席によって色が違うスローガンが掲げられ、東京ドーム全体で「SHINee IS BACK!!」と読める粋な計らいが!

撮影:田中聖太郎
撮影:田中聖太郎

最後の挨拶では、TAEMINが涙を堪え、MINHOが背中をさするシーンも。次のようにコメントし締めくくった。

TAEMIN「正直に言うと、もう6年経ったのが実感できなかったんですけど、お客さんの前に立って、皆さんが僕たちSHINeeに送ってくれるエネルギをもらって、伝わったし、本当にこうしてずっとSHINeeのそばでSHINeeを守ってくれたことに感謝していますし、皆さん本当に『1000年、ずっとそばにいて』という歌詞のことのように、皆さんがずっとSHINeeのことを守ってくれる気がして、胸がいっぱいになりました。こうして僕たちSHINeeが東京ドームという大きな場所に立つことができるのは皆さんのおかげです。そして、本当に本当にONEWさんと一緒にまた4人でステージに立ちたいですし、皆さんそのときをきっと待っていてくださるんですよね? もうこういう絆を、なんか言葉にできないくらい感謝を感じていますし、これからも、もっともっと成長するSHINeeになります。皆さんのおかげで、もうSHINeeはずっと行けると思います」

MINHO「皆さん、今日は本当にありがとうございました。実は、本当にすごく心配でした。久しぶりのドーム公演だったので心配でしたけど、皆さんの目を見ていると、なくなりました。本当にありがとうございます。皆さん、お願いごとが一つあるんですけど、今日の公演を絶対記憶お願いします。いつもいつも皆さんが僕の希望です。ありがとうございました!」

KEY「いつも、コメントの最後は難しいです。本当に感謝してますし、本当に時間が早く過ぎて、今僕もびっくりしました。本当に僕も楽しかったです。ずっとツアーを回りながら、皆さんにお返しできるようにもっと頑張って、もっといい場所で、もっといいライブをお見せすることができるSHINeeになります、と言ってきたと思いますが、ドームにはちょっと時間かかりました。でも、もう行く軍隊もないです。全部卒業だから。コロナももうないです。今日いいですね。昔のことを思い出すことができて。SHINeeと言えばやっぱりいろいろなことがあったので、16年ぐらいを迎えて、過去を僕ももう1回ヒストリーを見ることができました、自分的にも。ありがとうございます。皆さんも楽しかったですか? ありがとうございます。 もっと頑張っていきます、皆さん。今日はありがとうございました!」

撮影:石井亜希(田中聖太郎写真事務所)
撮影:石井亜希(田中聖太郎写真事務所)

SHINeeにとって思い出深い地である東京ドームで実現した6年越しの公演。メンバーたちもシャヲルもさまざまな記憶が交差し、この2日間も新たにグループの歴史に刻まれる伝説的な公演として語り継がれることだろう。良質な楽曲と非の打ち所がない歌唱にパフォーマンス、メンバーたちの人間味溢れる人柄、会場のどこにいても置き去りにしないステージ構成、演出を含め、完成度の高いエンターテインメントで揺るぎないスターとしての地位と格の違いを見せつけた。これからもSHINeeの伝説は続いていき、同じ時代を生きる者としてそれを目撃できるのは幸せなことだと実感した。

 

Text: Yukiko Shinto

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