注目のアーティスト、今津 景の初の大規模個展開催中 | Numero TOKYO
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注目のアーティスト、今津 景の初の大規模個展開催中

『RIB』2021 油彩、キャンバス 200×300 cm フィンク・コレクション photo: 木奥惠三 courtesy of The Artist and ANOMALY
『RIB』2021 油彩、キャンバス 200×300 cm フィンク・コレクション photo: 木奥惠三 courtesy of The Artist and ANOMALY

近年国内外で注目を集めるアーティスト、今津 景の初の大規模個展「今津 景 タナ・アイル」が、東京オペラシティ アートギャラリー(東京・西新宿)にて開催中だ。

インターネットやデジタルアーカイブといったメディアから採取した画像を、コンピュータ・アプリケーションで加工しながら構成、その下図をもとにキャンバスに油彩で描く手法で制作する今津 景。2017年よりインドネシアのバンドンに制作・生活拠点をうつし、近年はインドネシアの都市開発や環境汚染といった事象に対するリサーチをもとにした作品を手掛けている。

『Memories of the Land/Body』2020 油彩、キャンバス 300×600cm タグチアートコレクション photo: 木奥惠三 courtesy of The Artist and ANOMALY
『Memories of the Land/Body』2020 油彩、キャンバス 300×600cm タグチアートコレクション photo: 木奥惠三 courtesy of The Artist and ANOMALY

なお、さまざまなアーカイブ画像を画面上で結びつけることで、インドネシアの歴史や神話、生物の進化や絶滅といった生態系など複数の時間軸を重ね合わせ、より普遍性を持つ作品へと発展させているのも特徴的だ。地球環境問題/エコフェミニズム、神話、歴史、政治といった要素が絵画に並置され、膨大なイメージや情報が作家の身体を通過することで生み出されるダイナミックな表現である。

『Hainuwele』2023 油彩、ジュート 350×800 cm トゥムルン美術館(インドネシア) courtesy of The Artist and ROH
『Hainuwele』2023 油彩、ジュート 350×800 cm トゥムルン美術館(インドネシア) courtesy of The Artist and ROH

『Bandoengsche Kininefabriek』2024 ミクストメディア サイズ可変 作家蔵 courtesy of The Artist and ROH
『Bandoengsche Kininefabriek』2024 ミクストメディア サイズ可変 作家蔵 courtesy of The Artist and ROH

本展タイトルの「タナ・アイル」とは、インドネシア語で「タナ(Tanah)」が「土」、「アイル(Air)」が「水」を指し、ふたつの言葉を合わせると故郷を意味する言葉になるという。インドネシアと、自身のルーツである日本というふたつの土地での経験と思考にもとづく今津の作品は、鑑賞者に自らが生きる場所について考えさせるだろう。

『Curiosity cabinet from Ambon』2022 油彩、キャンバス 194×194 cm TAKEUCHI COLLECTION courtesy of The Artist, ANOMALY, and ROH
『Curiosity cabinet from Ambon』2022 油彩、キャンバス 194×194 cm TAKEUCHI COLLECTION courtesy of The Artist, ANOMALY, and ROH

「今津 景 タナ・アイル」
会期/2025年1月11日(土)〜3月23日(日)
会場/東京オペラシティ アートギャラリー(ギャラリー1, 2)
住所/東京都新宿区西新宿 3-20-2 東京オペラシティビル 3F
開館時間/11:00〜19:00(入場は18:30まで)
休館日/月曜日(祝休日の場合は翌火曜日)、2月9日(日)
入場料/一般1400円、大・高生800円、中学生以下無料
URL/www.operacity.jp/ag/

Text:Akane Naniwa

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