光で描くアーティスト、メアリー・コースの日本初個展が開催中 | Numero TOKYO
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光で描くアーティスト、メアリー・コースの日本初個展が開催中

Mary Corse, Untitled (White with Narrow Black Band, Diagonal Strokes, Beveled), 2022, glass microspheres in acrylic on canvas, 99.1 cm× 205.7cm× 10.2 cm 協力: Pace Gallery / SCAI THE BATHHOUSE
Mary Corse, Untitled (White with Narrow Black Band, Diagonal Strokes, Beveled), 2022, glass microspheres in acrylic on canvas, 99.1 cm× 205.7cm× 10.2 cm 協力: Pace Gallery / SCAI THE BATHHOUSE

60年近くにわたり、空間に射す光と知覚をめぐる試行を続けてきたメアリー・コース。東京・六本木のSCAI PIRAMIDEにて、最新作が一堂に会する「Painting with Light(光で描く絵画)」が開催中。日本では初個展となる。

メアリー・コースは、1960年代の米・カリフォルニアで、当時流行していた幾何学的な抽象表現やミニマリズの厳格な形式を背景に生まれた「ライト&スペース」というムーブメントに関連づけられ、近年世界的に再評価が高まっているアーティストの一人。「ライト&スペース」はガラスビーズなど透明、半透明、または反射素材を用いたり、オブジェや建築物に直接光源を埋め込んだりするなど、光をメディウムとした知覚現象に焦点を当てたことが特徴だ。しかし、コースは「ライト&スペース」で知られる他のアーティストからの影響や交流は限られており、自らの手法を独自に発展させながら制作を続けてきた。

Mary Corse, Untitled (White Inner Band, Beveled), 2022, glass microspheres in acrylic on canvas, 127 cm× 127cm× 10.2 cm Photography: Flying Studio, Los Angeles © Mary Corse, 協力: Pace Gallery / SCAI THE BATHHOUSE
Mary Corse, Untitled (White Inner Band, Beveled), 2022, glass microspheres in acrylic on canvas, 127 cm× 127cm× 10.2 cm Photography: Flying Studio, Los Angeles © Mary Corse, 協力: Pace Gallery / SCAI THE BATHHOUSE

幾何学的な構図に基づき、参照性を持たないコースの絵画は、量子物理学から現象学に至る幅広い分野を読み込み、光と物質の特性を探究することにより鑑賞者の知覚を呼び起こす。1960年代後半に辿りついたキャンバスにガラス製マイクロビーズの層を加える技法など、光をキャンバスに統合しようとする試みを続け、知覚される絵画空間の限界を押し広げてきた。

本展ではコースの最新作が公開。アーティストの60年近くに及ぶキャリアにおいて、日本で発表される初の機会だ。ぜひお見逃しなく。

「Painting with Light(光で描く絵画)」
会期/2022年10月13日(木)〜12月10日(土)
会場/SCAI PIRAMIDE
住所/東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル 3F
時間/12:00〜18:00
休廊日/日・月・火・水・祝日 ※11月3日(木)、11月6日(日)はArt Week Tokyoのためオープン
TEL/03-3821-1144
URL/www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/2022/10/mary_corse_painting_with_light/

Text:Akane Naniwa

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