「PRADA」青山店で体験するエクスペリメンタルなアート展覧会
2021年11月26日(金)まで、プラダ 青山店において、プラダ財団の支援を得て企画された展覧会「シュトゥルム & ドラング プレビュー サービス(Sturm & Drang Preview Services)」を開催中。 展示はヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog and de Meuron)が設計した象徴的な建築物、プラダ 青山店の5階で行われ、プラダ財団とgtaエキシビションズ(スイス連邦工科大学(ETH)チューリッヒ校建築学部にある学際的プラットフォーム)とのコラボレーションで ある「シュトゥルム & ドラング(Sturm & Drang)」プロジェクトの新しい方向性を示している。 ルイージ・アルベルト・チッピーニ氏(Armature Globale所属)、フレディ・フィッシュリ氏、ニールス・オルセン氏(gtaエキシビションズ、ETH所属)がキュレートした本プロジェクトでは、コンピュータ生成画像(CGI)の実践、体験、環境を探求できる。コンピュータスカルプチャの複雑さを取り上げ、現代の画像制作と、それが私たちの日常の認識に与える影響を調査することを目的としている。
プロジェクトの中の第二弾となる本展「シュトゥルム & ドラング プレビュー サービス」では、CGIで使われている、デジタルではないプロセスを直接見ることができる。プロジェクト全体の分析の一環として、建築とアーバニズムのスタジオであるアルマトゥーレ グロバーレ(Armature Globale)が材料技術を以て数々の環境をクリティカルに再構築しする。本展が探求するのは最終的な作品であるデジタル画像ではなく、そのプロセスである、CGIが発明、テスト、および制作される実際の空間または想像上の空間となる環境とセットの集大成だ。
その中の一つに、ウィリアム・ギブスンの代表作であるSF小説 『ニューロマンサー』(1984)に描かれた、主人公がサイバースペースに つながる架空の環境、千葉の簡易ホテルの部屋をイメージした空間があり、パーティションや環境を選択することで物理的コンテンツのデータベースとして機能すると同時に、デジタルテクノロジーとの実際の関わりを表現している。
発砲スチロールのモックアップやDIY型モーション研究、および美術館の展示台などを用いることで、3D CADやリアルタイムレンダリング、およびポストプロダクションのような現代の画像作成・加工の方法より生じる「本物の表現」の疑問について考えさせられる。
2年間のプログラム「シュトゥルム & ドラング」の第一弾は大学のオンライン講義という形式を取り、ETHで美術史と建築史を学ぶ学生と研究員を対象に 2021年2月から6月まで「シュトゥルム & ドラング スタジオ(Sturm & Drang Studio)」として開催された。さらに第二弾となる本展示の中には、2021年9月9日(木)〜2022年1月22日(土)までミラノの「オッセルヴァトーリオ フォンダツィオーネ プラダ(Osservatorio Fondazione Prada)」で開催される第三弾の展覧会でさらに広げていくものもあるという。
Sturm & Drang Preview Services
会期/2021 年 7 月 22 日(木)~11 月 26 日(金)
会場/プラダ 青山店 5F(東京都港区南青山5-2-6)
入場料/無料 ※要事前予約
URL/www.prada.com/jp/ja/pradasphere/special-projects/2021/sturm-and-drang-prada-aoyama.html
Text:Midori Oiwa