ピナ・バウシュの師匠作。舞踊が「戦争」を描く伝説的作品『緑のテーブル』再演 | Numero TOKYO
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ピナ・バウシュの師匠作。舞踊が「戦争」を描く伝説的作品『緑のテーブル』再演

生前、天才舞踊家として世界中のファンを魅了したピナ・バウシュ。彼女が14歳から師事したクルト・ヨースが作り上げた伝説的な作品が『緑のテーブル』だ。日本で唯一、この作品をレパートリーとしているスターダンサーズ・バレエ団が3月の「Dance Speaks アンコール公演」第二部で再演する。

ヨースのカンパニーに在籍した当時、ピナ・バウシュも踊ったことがあるこの作品。上演にあたっては、ヨース・エステートが派遣する指導者によるリハーサル期間を基本的に5週間設けることが義務付けられているという。ダンスの世界では演じる者、時代の変化で作品が自然に違った解釈になっていく作品も多い中で、この作品はダンサーが振付家のメッセージを忠実に守っていく作品だと言えるだろう。今回は、オランダ国立バレエで長く活躍、世界中のカンパニーで『緑のテーブル』のステージングを行っているジャネット・ヴォンデルサールが来日、スターダンサーズ・バレエ団とのリハーサルを行う予定だ。

作品の冒頭、平和会議のモチーフである「緑のテーブル」を囲んで黒服の男たちが議論を交わすシーンから、不穏な空気が流れ始める。指導者たちの衝突、戦争を利用する者、ありとあらゆる戦争の場面に「死」が隣り合わせとなる斬新でユニークな構成だ。その中には一貫して、戦争への痛烈な批判が含まれている。

この作品が生まれたのは1932年のパリ。満州国が建国され、日本では五・一五事件が起こった年でもある。ドイツではナチス党が第一党になり、翌年、ナチスに目を付けられたヨースはカンパニーのメンバーとともにドイツを後をしている。そこから88年たった今、社会は何を学び、世界はどうなっているだろう。「第三次世界大戦」というキーワードが囁かれる今、ダンスは何を語るのだろうか。

舞台
「Dance Speaks アンコール公演」
ウェスタン・シンフォニー/緑のテーブル

台本・振付/クルト・ヨース
作曲/フリッツ.A.コーヘン
美術/ハイン・ヘックロス
マスク&照明/ハーマン・マーカード
舞台指導/ジャネット・ヴォンデルサール、クラウディオ・シェリーノ
照明再構成/ベリー・クラーセン
ピアノ/小池ちとせ 山内佑太

日程/2020年3月13日(金)~15 日(日)
会場/東京芸術劇場プレイハウス
料金/S 席(1 階)¥8,000、A 席(2 階)¥5,000
チケット取り扱い/
スターダンサーズ・バレエ団 https://www.sdballet.com/ 03-3401-2293(平日10:00~18:00)
チケットぴあ、e+(イープラス)
東京芸術劇場ボックスオフィス https://www.geigeki.jp/ti/ 0570-010-296(休館日を除く 10:00~19:00)
TEL/東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296(休館日を除く 10:00~19:00)
URL/http://www.geigeki.jp/t/

TEL/スターダンサーズ・バレエ団 03-3401-2293 (平日10:00~18:00)
URL/https://www.sdballet.com/performances/2003_dancespeaks/

Text:Reiko Nakamura

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