アカデミー賞作曲家が感じる川端康成の世界 オペラ『サイレンス』 | Numero TOKYO
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アカデミー賞作曲家が感じる川端康成の世界 オペラ『サイレンス』

アカデミー賞の作曲家が、ノーベル賞作家の作品にインスパイアされてオペラを作り出す。そんな作品が日本に上陸しようとしている。手掛けるのは『クイーン』『英国王のスピーチ』『イミテーションゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』など名だたる映画音楽を手掛け、『グランド・ブダペスト・ホテル』『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞作曲賞を受賞したアレクサンドル・デスプラ。彼が生み出す新作オペラ作品は、日本のノーベル賞作家・川端康成の短編『無言』を原作としたものだ。台本の共作、演出、映像はデスプラの公私にわたるパートナーであるソルレイが手掛けている。 取り上げられるのは「表現手段を失ったアーティストは、どう表現していくか、どうコミュニケーションしていくか」というテーマ。現代の音楽表現で日本にもファンの多いルクセンブルクのアンサンブル「アンサンブル・ルシリン」の演奏、フランスで活躍する永田鉄男が撮影監督を務めた映像で構成していく。中でも、ヴァレンティノのクリエイティブ・ディレクター、ピエールパオロ・ピッチョーリによる衣裳は、シンプルでありながらも印象的で、この作品に大きな役割を果たしている。 ルクセンブルク公演、フランス公演を経てたどり着いた日本での公演。日本から生まれたインスピレーションが外国人作曲家の中で咀嚼され、日本でどう受け止められるのか注目したい。

オペラ
開館65周年記念神奈川県立音楽堂室内オペラ・プロジェクト
ボーダーレス室内オペラ/川端康成生誕120周年記念作品
「サイレンス」日本初演(フランス語上演・日本語字幕付き)
En Silence
A chamber opera by Alexandre Desplat and Solrey
Libretto by Alexandre Desplat and Solrey
adapted from Nobel prize Yasunari Kawabata ’s short story : En Silence

原作/川端康成「無言」(『中央公論』1953(昭和28)年4月号初出)
作曲・指揮/アレクサンドル・デスプラ
台本/アレクサンドル・デスプラ、ソルレイ
演出・映像/ソルレイ
美術・照明/エリック・ソワイエ
衣装/ピエールパオロ・ピッチョーリ
演奏/アンサンブル・ルシリン
出演/ジュディス・ファー(ソプラノ)、ロマン・ボックラー(バリトン)、ローラン・ストッカー(コメディーフランセーズ/語り)

<神奈川公演>
日時/2020年1月25日(土) 14:00開演(13:00開場)
会場/神奈川県立音楽堂
料金/一般6,000円、シルバー(65歳以上)5,500円、学生(24歳以下)3,000円(全席指定・税込)
TEL/チケットかながわ0570-015-415 (10:00~18:00)
URL/https://www.kanagawa-ongakudo.com/detail?id=36015
チケット取り扱い/チケットかながわ https://www.kanagawa-arts.or.jp/tc/
チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット
*シルバー、学生席はチケットかながわのみ取り扱い。
*車椅子席有り(付添1名無料)
*未就学児童の入場は、ご遠慮ください。託児サービス有り。

<京都公演>
日時/2020年1月18日(土)18:00開演
会場/ロームシアター京都サウスホール
主催/ロームシアター京都
料金/一般6,000円 ユース(25歳以下)3,000円(全席指定)
TEL/ロームシアター京都チケットカウンター 075-746-3201
URL/https://rohmtheatrekyoto.jp/lp/silence_kyoto/
※ユース(25歳以下)チケットは、公演当日に受付にて年齢が確認できる証明書(学生証、免許証等)をご提示ください。

Text:Reiko Nakamura

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