九谷焼×アートで注目の才能 上出惠悟「静物/Still Life」展
明治12(1879)年に創業した九谷焼の窯元・上出⻑右衛門窯の六代目で、アーティストとしても注目を集める上出惠悟の個展「静物/Still Life」が、大阪・江戸堀のYoshimi Artsにて10月13日(日)まで開催中。
九谷焼の窯元一家に生まれた上出は、東京藝術⼤学に進学し油画を専攻。卒業制作で発表したバナナの九谷焼作品がメディアの注目を集め、上出⻑右衛門窯の六代目として自ら企画、デザイン、ブランディングを行っている。2009年には、世界的に知られるスペイン人デザイナーのハイメ・アジョンと新しい食器のシリーズを製作し、ミラノサローネで発表。また、丸若屋とともに製作した『髑髏のお菓子壺 花詰』が、金沢21世紀美術館に収蔵されている。2015年にはフランスにて海外初個展も開催。国内外で数々の個展・グループ展を開催するなど、小誌も注目してきた才能だ。
本展では、今年の6月に「第14回パラミタ陶芸⼤賞展」(パラミタミュージアム/三重県)出品のために制作した新作を再構成して展示。大学で絵画を専攻した経験から、⻄洋絵画の一ジャンルである「静物画」に改めて関心を持ち、家業である上出⻑右衛門窯が作り続けている器をモチーフにしながら、まったく新しい作品を陶芸展で発表している。
日本の伝統工芸×新しい感性から生み出される、美しくみずみずしい作品世界を堪能しに、ぜひ足を運んでみよう!
上出惠悟「静物/Still Life」
会期/2019年9月21日(土)〜10月13日(日)
会場/Yoshimi Arts
住所/⼤阪市⻄区江戸堀1-8-24 若狭ビル3F
開館時間/11:00〜19:00(日 17:00まで)
休館日/月・火
URL/yoshimiarts.com
Text:Akiko Kinoshita