若手女性アーティストが問う “らしさ”の表現@スパイラル
スパイラルが、新しいグループ展をスタートさせた。シリーズ初回となる「すがたかたち-『らしさ』とわたしの想像力-」展が12日から開催されている。
南青山のスパイラルで、「Ascending Art Annual」と題した新しいグループ展シリーズが始まった。初回となる本展には5人の個性豊かな女性アーティストが出展している。
漆に魅了され、人間の体と抽象形態が融合した独特のフォルムを追及する青木千絵。オブジェクトの制作を通して人の無意識的な判断を露わにするという荒牧悠。二次元の対象を消しゴムで消し、そのカスを用いて立体へと変換する 「ダストシリーズ」の入江早耶。自身のルーツや記憶を神話的世界へと転化させ、西洋の肖像画や宗教画を思わせる写真作品を展開する金サジ。鉱物学、歴史学、考古学的視点からのフィールドワークなどをベースに作品を制作する西條茜……。
女性らしい繊細な視点を持ちながら、「螺旋状に上昇していくイメージ=ascending」を体現するようなエネルギーに満ちた彼女たちの作品。人間の身体や身の回りのものなど、私たちが見知っている “らしさ” に内包されたその意味に思いを巡らせてみてはいかが。
Text : Manami Abe