Art / Post

時空を超えるアート書物!『HERE』日本版

全世界にセンセーションを巻き起こした“アート×文学”な1冊が、ついに日本上陸。いざ、時空を超えた読書体験へ。

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なお、作者のリチャード・マグワイアは1957年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。イラストレーターとしてコンデナスト社の週刊誌『ニューヨーカー』の表紙などを手がけるほか、グラフィックデザイナーとしての仕事や、絵本やコミックブック、短編アニメーションなども発表している。本書の原点となったのは、89年に前衛コミック雑誌『RAW』に掲載された6ページのオリジナル作品『HERE』。それから25年もの歳月をかけて、30億50万年前から22715年へと至る壮大なるグラフィック絵巻を完成させた。日本版には特別付録として、オリジナル版と2000年版の『HERE』、コミック作家のクリス・ウェアによるエッセイなどを収録した小冊子が封入されている。

自らを取り巻く無窮なる時空間の広がりを、視野などのフレームによって分節化し、認識してきた私たち人類。本書はいわば、そのフレームに依拠し、いつしかアートやコミック表現の前提条件と化していた枠組み=コマ割りの“フレーム問題”を逆手に取ることで、新たな手法を切り拓いた表現史上の問題作でもある。まさに、百聞は一読にしかず。
ちなみに、リチャード・マグワイアは80年代初頭ニューヨークの伝説的バンド「リキッド・リキッド」のベーシストでもある。こちらも不朽の名曲「Cavern」をループさせながら、永遠の<いま/ここ>をめぐる読書体験を味わってほしい。


Liquid Liquid「Cavern」(1983年)

『HERE ヒア』
著/リチャード・マグワイア
訳/大久保譲
発行/国書刊行会
価格/¥4,320
URL/www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336060730/

Text:Keita Fukasawa

Profile

深沢慶太Keita Fukasawa コントリビューティング・エディターほか、フリー編集者、ライターとしても活躍。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numero TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集やインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)などがある。『Numéro TOKYO』では、アート/デザイン/カルチャー分野の記事を担当。

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