銀座メゾンエルメスに “妖怪” が集結!?
水木しげるも驚く、シャルル・フレジェの写真展
それ以外にも、
白く長い首と羽根を身にまとった “人間シラサギ” のつがいが舞い踊る、島根県の「鷺舞(さぎまい)」。
ご立派な木の棒を股ぐらに付けたヒョットコと、妙に思わせぶりな仕草のオカメがお色気踊りを繰り広げる、新潟県・佐渡島の「つぶろさし」。
全身を葉で覆い巨大な面をかぶるなど、歩く “魅惑のチキルーム” 状態の者たちが公然と女性や子どもを追い回す、鹿児島県・悪石島の「ボゼ」。
……などなど、見る者を思わず「なんだこれは!」と岡本太郎状態にする異形の存在たちが、この日本の各地に息づいていたのだった。
そして……その魅力にすっかり取り憑かれてしまったのが、フランス人の写真家、シャルル・フレジェ。
これまでにも、毛むくじゃらにも程があるブルガリアの獣人「バブゲリ」をはじめ、欧州各国の伝統儀式に登場する獣人(ワイルドマン)たちの姿をとらえたシリーズ作品『WILDER MANN』のほか、世界各地の民族衣装や伝統衣装、儀礼や祭礼用の装束などを写真に収めてきた。
その彼が、このたび日本各地58カ所もの取材を敢行し、田畑や山々、海などに息づく仮面神や鬼たちを召喚して撮影。
その集大成となる『YÔKAÏNOSHÏMA』シリーズが、銀座メゾンエルメスの8F・フォーラムで展示されている。
Text:Keita Fukasawa