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二階堂ふみが体当たりの演技で魅せる! 『この国の空』が公開中。

二階堂ふみが体当たりの演技に挑んだ『この国の空』が公開中。本作のテーマはずばり「戦争」。でも、いわゆる戦争映画とはちょっと違う。実際、戦場での激しいドンパチシーンなどはいっさいなく、むしろ、その手の映画では脇に追いやられがちな、戦時下を生きる“女性”が主人公。それも、子供を抱えて賢明に生きる母ではなく、自らのうちに沸き立つ得体の知れない感情に戸惑う少女が。
 
物語の舞台は、終戦間近の東京。母と一緒に暮らす19歳の里子は、ひょんなことから隣家に住まう市毛(妻子を疎開させている)の世話をすることに。そうするうちに、里子は市毛に対して今まで体験したこのない想いを抱くようになる。これは“恋”なのか、それとも、ただの“欲望”なのか……。愛を知らずに死ぬかもしれない切迫感に駆られた少女の心の揺れが、まるで成瀬巳喜男や溝口健二をはじめ、黄金期の日本映画を支えた巨匠たちを思わせる艶かしいタッチで切り取られる。戦後70周年の今年の夏こそ、観るべき傑作だ。
 
『この国の空』
監督・脚本/荒井晴彦
原作/高井有一
出演/二階堂ふみ、長谷川博己、富田靖子、利重剛、上田耕一
配給/ファントム・フィルム、KATSU-do
©2015「この国の空」製作委員会
HP/kuni-sora.com

 
Text:Keisuke Kagiwada

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