いまが絶景! 開幕相次ぐ“京都×現代アートイベント” の新地平へ | Numero TOKYO - Part 8
Art / Post

いまが絶景! 開幕相次ぐ
“京都×現代アートイベント” の新地平へ

なぜだ!? 春の京都で、現代アートイベントが次々に開幕! 春の京都といえば、桜、つつじ、若草萌ゆる寺社の庭園に、春の美味いろいろ。 ……というのがお決まりだった。これまでは。 でも、今年はなにやら様子が違っている。京都を舞台に現代アートの国際展が次々と開幕、まさに花ざかりの “かつてない眺め” が出現しつつあるのだ……! それが、『Numéro TOKYO』2015年5月号(3/28発売)の別冊付録『Numéro KYOTO』でフィーチャーした、“京都×現代アート” 新時代を予感させるイベントたち。 ひとつめは、京都の街で初めてとなる、大規模な現代アートの国際展『PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭 2015』。 そして、京都発・超ハイクオリティなアート写真イベント『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2015』。 さらに、京都開催のアートフェアとして実績を誇る『超京都』と『ART KYOTO』の2つが合体した『超京都 art kyoto 2015』まで。 日本が誇る文化都市でありながら、じつは現代アートの美術館が存在せず(!)、大型の国際展も開催されてこなかった(!?)という京都の街。 その長き歴史と文化を新しいかたちで発展させるべく、この春にそろい踏みを果たした “京都×現代アート” の動向について、ひと足早く開幕した『PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭 2015』のレポートを交えつつ、いざご案内……!


イベント③『超京都 art kyoto 2015』は3日間の開催……そして未来へ!

3つめにご紹介するのは、ともに “京都×現代アート” の状況を打ち破るべく立ち上がった、ふたつのアートフェア『超京都』と『ART KYOTO』が合体し、4月24日(金)〜26日(日)までの3日間限定で開催される『超京都 art kyoto 2015』。

『超京都』は、京都の歴史的建造物や伝統工法の日本家屋を舞台に、2010年より開催されてきたアートフェア。今回は『超京都 art kyoto 2015』のテーマ展示部門として、大正期の京町家「ちおん舎」の和室空間を舞台に、作品を展示・販売する。
対する『ART KYOTO』は、前身となる『アートフェア京都』の拡大発展版として開催された大型アートフェア。今回は『超京都 art kyoto 2015』のブース展示部門として、現代アートと工芸を中心とする国内約30軒のギャラリーが、京都府京都文化博物館の5階に集結する。


『超京都 art kyoto 2015』
会期/4月24日(金)〜26日(日)
会場/ちおん舎、京都府京都文化博物館
時間/会場によって異なる(※詳細は公式サイトへ)
TEL/075-761-7372(イムラアートギャラリー内 実行委員会総合事務局)
URL/http://www.kyotographie.jp/

それ以外にも、ゴールデンウィーク中には京都の現代アートギャラリーFOILが開催する特別企画展 禅居庵×FOIL 現代美術作家グループ展『〇△□』—まるさんかくしかくー が、建仁寺境内の禅居庵で開催され、5月下旬からは近藤高広、名和晃平、山本太郎の作品と、彼らが選んだ琳派作品をはじめとする収蔵作品が共演する『琳派四百年 古今展』が細見美術館でスタートするなど、まさに今年は “京都×現代アート” が花ざかり。
それにしても、この街の文化や生活全体が “アート” の集大成と言っても過言ではない千年の都にいながらにして「京都でアート体験!」とは何事だ。ヘソが茶を沸かすわ。
……というご指摘に関しては、素直にごめんなさい。でも。
ご紹介した3イベントの主催者たちが口をそろえて訴えたのは、「そのポテンシャルを未来に向けて発展させていく取り組みの必要性」だった。なんとなれば、現代アートの美術館が存在せず、大型の国際展も開催されてこなかったという意外な現実。これをなんとする。
だからこそ、誰もが “常識” だと疑わない状況に別の角度から光を当てて揺さぶりをかけ、新たな価値観を導くという、思わずヘソが宇治茶を沸かすような “アートのお手前” が必要なのだ……!
(感想文おわり)

ここから立ち上がる “京都×現代アート” の新しい眺め。
地球上、ほかのどの土地にもない “京都ならでは” のアートのあり方を、新時代の予感とともに味わってみてはいかがだろう。

※『Numéro TOKYO』5月号(3/28発売)別冊付録『Numéro KYOTO』では、ご紹介した3つのアートイベントの主催者インタビューをはじめ、セレクトショップ「アーツ&サイエンス京都」をオープンさせたばかりのソニア パークが注目する若手クリエイターや食どころのほか、デザイン系からカフェ、ディープな街ネタ、お土産まで “京都×アート” 視点の最新オススメスポットを掲載。アートイベント鑑賞のお伴に、ぜひご活用を!

Text:Keita Fukasawa

Profile

深沢慶太(Keita Fukasawa) フリー編集者/ライター/『Numéro TOKYO』コントリビューティング・エディター。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numéro TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集・執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集や、編集者9人のインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)など。

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