Art / Post
未来か現実か!? 全人類に告ぐ。
未来か現実か!? 全人類に告ぐ。
「ヴァンサン・フルニエ展」
SOKOL KV2 Space Suit, KAZBEK seat from a Soyuz rocket, Warehouse, London, United Kingdom, 2009. © Vincent Fournier
次に、この写真。
人類の叡智を賭けた宇宙への挑戦。その象徴ともいうべき宇宙服とヘルメットが、置き去りの赤子のように転がったまま、身を縮めて無力に天井を見上げている。
ロシアの宇宙船ソユーズの座席と宇宙服の、無常なる “抜け殻”──。
ヴァンサン・フルニエ 近影
これらの作品を撮影したヴァンサン・フルニエは、パリを拠点に活動し、宇宙やロボット、遺伝子操作が生み出した動物たちなど、科学やテクノロジーをテーマに数々の作品を発表してきた写真家/映像作家。
その代表作である「SPACE PROJECT」は、“星の街” と呼ばれるカザフスタンのスターシティ宇宙飛行士訓練センターや、バイコヌール宇宙基地など、この地球上に実在する宇宙関連施設で撮影されたシリーズ作品だ。
Text:Keita Fukasawa
Profile
深沢慶太(Keita Fukasawa)
フリー編集者/ライター/『Numéro TOKYO』コントリビューティング・エディター。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numéro TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集・執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集や、編集者9人のインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)など。