“異能者”7人が東京に集結!『イメージメーカー展』 | Numero TOKYO - Part 3
Art / Post

“異能者”7人が東京に集結!『イメージメーカー展』


作曲家の三宅 純は、ピナ・バウシュ、ヴィム・ヴェンダース、オリバー・ストーン、大友克洋らの作品に参加するほか、3,000作以上ものTVCMの実績でも知られる。今回はジャン=ポール・グードの作品のために新曲を書き下ろしての参加だ。

舞台美術家、演出家として演劇やパフォーミングアーツの世界の頂上領域に君臨するロバート・ウィルソンは、会場内の随所にビデオポートレートを日本初展示。安藤忠雄設計の21_21 DESIGN SIGHTの建築空間を引き立てる、百戦錬磨の演出表現に注目したい。

そして……泣く子も黙る鬼才、デヴィッド・リンチ。映画監督、カメラマン、音楽家、画家、それ以外など、暗黒のアメーバ(不定形生物)のように表現形態を変えながら脈動する彼の精神世界を、今回はリトグラフ作品で堪能できる。


続いては、花魁(おいらん)の下駄をモチーフにしたヒールレスシューズがレディー・ガガに愛用され、気鋭のファッションデザイナーとして世界に注目される舘鼻則孝(たてはな・のりたか)。新作の靴や石膏作品、作品制作資料などを出展する。

そして、フォトグラファーハル。圧縮袋の中で真空パックされたカップルの写真シリーズ『Flesh Love』で知られる写真家だ。同シリーズが放つ、写真に対する先入観を覆すようなイメージの強度に、思わず息を止めて見入ってしまうことだろう。

写真、ドローイング、ビデオインスタレーション、動く彫刻 etc.…。
領域横断的にして、モードや演劇、映像や立体表現にも波及していく彼らの創造性は、人間の持つイマジネーションの力を極めて自由に提示してみせる。
“デザイン”や“アート”という言葉を前にして、「こうあるべき」という固定観念に囚われがちな日本の現状を眺めればこそ、あらゆる枠を取り払い、視野を広げてくれる異能者──イメージメーカーたちが共鳴を果たし、ともに描き出す鮮やかなヴィジョン。
どう楽しむかは、あなた次第だ。


21_21 DESIGN SIGHT 企画展『イメージメーカー展』
期間/7月4日(金)〜10月5日(日)
会場/21_21 DESIGN SIGHT
住所/東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
URL/http://www.2121designsight.jp/program/image_makers/

Text:Keita Fukasawa

Profile

深沢慶太(Keita Fukasawa) フリー編集者/ライター/『Numéro TOKYO』コントリビューティング・エディター。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numéro TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集・執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集や、編集者9人のインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)など。

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