シャンパンを日常的に楽しむには? 『G.H. マム』の若きセラーマスターが伝授! | Numero TOKYO - Part 2
Culture / Lifestyle

シャンパンを日常的に楽しむには? 『G.H. マム』の若きセラーマスターが伝授!

──まず、メゾンを代表するシャンパン『ミレジメ 2004』を含む3ラインの紹介をお願いします。

Didier Mariotti(以下、D)「メゾンのシンボル的シャンパン、ノンヴィンテージ「コルドン ルージュ」、生産量が少ない「ブラン・ド・ブラン」、メゾンの歴史にとって重要なライン「ミレジメ 2004(ヴィンテージ)」の3種です。「ブラン・ド・ブラン」は『マム』で生産されて歴史は長いのですが、商業化されていない商品だった。メゾンが友人、またはメゾンにビジターとして訪れる人たちに差し上げていたスペシャルなシャンパンです。メゾンの名刺をラベル代わりに付けており、今日のエチケットとは違う作りになっています。いわば、みなさんが使っている会社のアイデンティティを示すコーポレートカードと同じ役割です。
カードの角を折ってあるのはフランスの習慣。それと同じ作りをエチケット(ラベル)に施しています。そのように、メゾンからこのシャンパンを贈られた人たちによって、このシャンパンは評判になり、買ってでも欲しいという人がでてきて商品化されました。ただ、生産量はとても少ないのです。

すべてのブドウはひとつの村“クラマン(CREMONT)”から来ています。このキュヴェのスタイルの特徴は、クラマンの最高級のシャルドネを地用し、その特徴を引き出す為に熟成期間を2年半としたところです。シャルドネの“ピュア・シンプリシティ”を出す、柑橘系、白い花などを、またテロワールの特徴としてチョーク(石灰)質、ミネラルが土中に豊富なのでその特徴を最大限に引き出しているのです」

──『マム』シャンパンの最大の魅力とは?

D「魅力を凝縮しているのは、『コルドン ルージュ』でしょう。これはブランドの“魂”を凝縮していると思う。そして『コルドン ルージュ』こそが、世に『マム』シャンパンを知らしめたといえるでしょう。映画やアニメでも、この赤いリボンをかけたシャンパンを見かければ、それが『マム』のシャンパンだとわかるほどに特徴的な存在となりました」

──ヴィンテージの「ミレジメ 2004」の特徴をもう少しわかりやすく教えてください。

D 「『ミレジメ 2004」は『ブラン・ド・ブラン』とは対局のスタイルです。音楽で言うと、『ブラン・ド・ブラン』はソリスト、今回紹介する『ミレジメ 2004』は大太鼓が入ったようなフルオーケストラ。力強さがあって豊かな表情を持ち、表現が強い。食い道楽、グルマンが喜ぶシャンパンといわれています』

──では、それぞれのシャンパンを食事の時に楽しむにはどのような順番がおススメですか?

D 「『ブラン・ド・ブラン』→『コルドン ルージュ』→『ミレジメ 2004』の順番で力強さが上っていく感じですね。『コルドン ルージュ』はストリートでファンファーレを鳴らしているような感じで、アクセスしやすいシャンパーニュになっています」

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