Didier Mariotti(以下、D)「メゾンのシンボル的シャンパン、ノンヴィンテージ「コルドン ルージュ」、生産量が少ない「ブラン・ド・ブラン」、メゾンの歴史にとって重要なライン「ミレジメ 2004(ヴィンテージ)」の3種です。「ブラン・ド・ブラン」は『マム』で生産されて歴史は長いのですが、商業化されていない商品だった。メゾンが友人、またはメゾンにビジターとして訪れる人たちに差し上げていたスペシャルなシャンパンです。メゾンの名刺をラベル代わりに付けており、今日のエチケットとは違う作りになっています。いわば、みなさんが使っている会社のアイデンティティを示すコーポレートカードと同じ役割です。
カードの角を折ってあるのはフランスの習慣。それと同じ作りをエチケット(ラベル)に施しています。そのように、メゾンからこのシャンパンを贈られた人たちによって、このシャンパンは評判になり、買ってでも欲しいという人がでてきて商品化されました。ただ、生産量はとても少ないのです。
すべてのブドウはひとつの村“クラマン(CREMONT)”から来ています。このキュヴェのスタイルの特徴は、クラマンの最高級のシャルドネを地用し、その特徴を引き出す為に熟成期間を2年半としたところです。シャルドネの“ピュア・シンプリシティ”を出す、柑橘系、白い花などを、またテロワールの特徴としてチョーク(石灰)質、ミネラルが土中に豊富なのでその特徴を最大限に引き出しているのです」