「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2024」チェックすべき展示を紹介!
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2024」が5月12日(日)まで開催中。国内外作家の貴重な写真作品や写真コレクションが、京都市内各所の歴史的建造物や近現代建築の空間に展示され、写真とともに京都の歴史・文化を楽しめることで人気を博している。12回目を迎える今年のテーマは「SOURCE」。(源)生命、愛、痛み…先住民族や格差社会、摩擦など現代を映し出す10カ国、13アーティストによる13展示からはそれぞれ強いメッセージを感じる。
駆け足で周りたい人のために展示をピックアップしてご紹介!
ヴィヴィアン・サッセン 「PHOSPHOR|発光体:アート&ファッション 1990–2023」
ファッション写真とファインアートの世界で活躍し続けるヴィヴィアン・サッセン。1990年から2023年まで手がけた200点以上もの作品を京都新聞ビル地下1階の印刷工場跡に展示。幼少期をケニアで過ごしたルーツを感じる強い色彩やコントラストのある作品から、被写体の独特なポージングや構図がシュルレアリスム的なムードの作品、音と映像によるインスタレーションも。30年以上にわたる作品群からは、創作の広がりの中にブレない彼女の視点を感じる。展示作品についてのインタビュー記事もチェックして!
場所:京都新聞ビル地下1階(印刷工場跡)
From Our Windows
川内倫子 「Cui Cui」+「as it is」
潮田登久子 「冷蔵庫/ICE BOX」 +「マイハズバンド」
グローバル・ラグジュアリーグループのケリングが芸術や文化の分野で活躍する女性の才能に光を当てることを目的とする「ウーマン・イン・モーション」の取り組みとして支援している企画展。今年は世界的に活躍する川内倫子と70年代から女性写真家として活動する潮田登久子との対話的な二人展。川内は実家での13年間の記録「Cui Cui」、自身の出産と子供との暮らしを見つめた「as it is」を、潮田は自宅と知人宅の冷蔵庫を撮影した「冷蔵庫/ICE BOX」、夫・島尾伸三と娘のしまおまほが小さい頃の暮らしの風景「マイハズバンド」を展示。それぞれの作品から生命、家族、日々の営みが静かに暖かく響く。
場所:京都市京セラ美術館 本館 南回廊 2階
ジェームス・モリソン 「子どもたちの眠る場所」
ケニア生まれ英国育ちのジェームス・モリソンによる世界各地の子どもたちのポートレートとその子どもの寝室を写す進行中のプロジェクト。「子供の権利に関わるプロジェクト」をきっかけに始めた撮影は、ウクライナやイスラエル、ケニアなど5大陸40カ国以上にも。子どもたちの寝ている場所をそのまま見せることで、紛争、格差、気候変動など子どもたちがさらされている複雑多様な状況、さまざまな問題、歪みが、まざまざと伝わる。難民キャンプの一角のベッドからも、高級なおもちゃが無数にある子供部屋からも大人のエゴが透けて見える。
場所:京都芸術センター
クラウディア・アンドゥハル 「ヤノマミ|ダビ・コペナワとヤノマミ族のアーティスト」
スイス出身の写真家でブラジルの先住民族ヤノマミの権利・主権を守るための活動家のクラウディア・アンドゥハルによる写真・映像作品とヤノマミのアーティストによるドローイングと映像作品のコラボレーション展示。クラウディア・アンドゥハルは1970年代からヤノマニ族のコミュニティに入り、彼らの伝統と暮らし、またブラジルの独裁政権による暴力的な迫害を写真で伝え、ヤノマミのアーティストやシャーマンが制作したドローイングや映像作品からは彼らの独創的な精神世界を垣間見ることができる。アマゾンにおける破壊的行為や地球規模の気候変動危機、大きな問題を突きつけられる展示。
場所:京都文化博物館 別館
柏田テツヲ 「空(くう)をたぐる」
世界最古のシャンパーニュメゾン「ルイナール」による、KYOTOGRAPHIE インターナショナルポートフォリオレビューの参加者より選出されるアワード「Ruinart Japan Award」。受賞者はランスにあるルイナール・メゾンに滞在、そこでの体験を作品に。昨年の受賞者の柏田テツヲは、現地での職人たちと対話、ブドウ畑の視察、ルイナールの取り組みを学ぶなかで、気候がシャンパーニュ造りに大きな影響があることを知り、地球温暖化が自然に与える問題の大きさを感じたそう。そこで蜘蛛の巣に地球の温暖化に通ずるものを感じ、ブドウ畑と自作の蜘蛛の巣をテーマに撮影。両足院での展示は「人の手が加えられた自然」というテーマに通じ、美しい調和のなかに自然に対する畏怖を念を深める。
場所:両足院
Birdhead(鳥頭) 「Welcome to Birdhead World Again, Kyoto 2024」
Birdhead(鳥頭)による「Welcome to Birdhead World Again, Kyoto 2024」の展示詳細はこちらの記事をチェック!
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2024
会期/2023年4月13日(土)〜5月12日(日)
会場/京都市内各所
www.kyotographie.jp/