Culture / Editor's Post
日本科学未来館のシンボル、ジオ・コスモスに映し出された映像や光の演出の中で、何台もの360度カメラを前に激しい身振り手振りでアルバム『ヴァルニキュラ』内の「クイックサンド」を熱唱。
配信映像を見ただけでも、生で見たものとの違いに驚きでしたが、360度VR映像として完成したら、いったいどんなものに仕上がるのか気になるところです(今後予定される世界各都市の巡回展示で公開)。
その後のトークショーがまた素晴らしかった。
「ミュージシャンである以上、人間臭さやソウルをいかに伝えるか?という根本的な考え方は手段が楽器だろうが最新テクノロジーであろうと変わらない」。テクノロジーが人間の感情を表現するまでのプロセスや可能性を探っているのはとてもエキサイティングだと語り、「はじめて火星を歩いた人の気持ちと同じようなもの。電話だって発明された当初はどうやって合わずに話すことができるのか?と不安に思う人もいたようですが、今はごく自然なコミュニケーションツールになっているように。そう考えると、将来的にはVRでも感情表現に近いものつくれるのではないかと思っている」と。なるほど〜。最先端テクノロジーを取り入れながらも、生身の肉体が生み出すアナログなものも忘れない。
革新的で超自然的なアーティスト、ビョークの凄さとしなやかさを感じずにはいられないイベントでした。
そして、今回の展示では、VR3作品が体験できる。ゴーグルとヘッドフォンを装着したら、スタート。
まず『Stonemilker』では、目の前で自分だけのために歌ってくれるビョークをクルクルまわりながら感じ、
(C)Andrew Thomas Huang
次に、『Mouthmantrar』で歌ってくれるだけでなく、お口の中にもご招待してくれ…ちょっとしたホラー感覚。
(c)Jesse Kanda
最後の『Not Get』。蛾の妖精からみるみるうちに巨大な花火のような姿に変貌していくファンタジー。エレクトリカルパレードに踏みつぶされるような感じとでもいいましょうか。
(c)REWIND VR
そんな眼前に広がる妖精ビョークの不思議宇宙を、ものごく普通の空間で見るというギャップ。
これがVRの展示というものなのですね。ぜひ体験してみてください。
あと、13日です!急げ!
その余韻に浸りながら、7/13リリースのビョーク本人が選曲&ミックスを手がけた「ヴァルニキュラ・ツアー」のライヴアルバム『ヴァルニキュラ:ライヴ』でさらなるビョークの世界にトリップしましょう。
Bjork Digitalー音楽のVR・18日間の実験
開催中〜7/18 日本科学未来館
日本初公開!ビョークの音楽を最先端VRで体験
bjork digital VR MV velnicula
日本科学未来館で6月29日より開催中の噂の「Bjork Digitalー音楽のVR・18日間の実験」を体感してきました。 前日には、イベントのために来日したビョークによる、生歌パフォーマンスのリアルタイム360度VRストリーミング配信の公開収録「Making of Bjork Digital」にもおじゃましました。何がどうなってああなるのか…不思議な現場の模様と、未知なる展示の様子をレポートします。
「ビョーク来日!」しかも「ビョークが歌う!」唯一の機会だという、ビョークとDentsu Lab Tokyoのコラボレーションによる公開収録に立ち合えるという貴重な体験。わくわくドキドキしながら待つこと、数十分。すごいヘッドピースを装着したビョーク登場。これはMITメディアラボのNeri Oxmanがデザインし、3Dプリンタで60時間かけて制作された「Rottlace」マスク。
BjorkDigital_Tokyo_PhotoCredit_Santiago_Felipe_02low
BjorkDigital_Tokyo_PhotoCredit_Santiago_Felipe_05low
BjorkDigital_Tokyo_PhotoCredit_Santiago_Felipe_12low
Photo Credit_Andrew Thomas Huang 8
Photo Credit_Jesse Kanda 2
Notget_Photo Credit_REWIND VR1
ビョーク_「ヴァルニキュラライヴ」_ジャケット写真