中目黒に出現した“美食×グリーン etc.”の桃源郷「the GARDEN」へ!
![中目黒 レストラン ワイン 自然派ワイン ニューオープン ガーデン 目黒銀座商店街に面した「the GARDEN」の外観。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/10/01_the-GARDEN-exterior-01_px650.jpg)
中目黒の「目黒銀座商店街」にこの10月、謎の “美食×ワイン×グリーン×本×雑貨” の融合空間「the GARDEN」がオープン。仕掛け人の顔ぶれからして「これはただ事ではない」と、居ても立ってもいられなくなり勇み足で訪問。悦楽と滋養が渦巻く新感覚のガーデンへ、いざ入店…!
中目黒駅から程近く、昔ながらの電器屋や酒屋、中華料理店と、若者で賑わうダイニングや高感度なヴィンテージショップなどが共存する「目黒銀座商店街」。そのちょうど中ほどあたりに忽然と、緑萌ゆるガーデンが出現した。その佇まいを前にすれば、インテリアや植物好きならずとも「むむっ!?」と勘が働くはず。果たして、ここは何屋…?
![MAESTRO初出店となるグリーンショップ「quartetto」。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/10/02_quartette-01_px650.jpg)
![ブックディレクターの幅允孝による「書房 石」。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/10/03_book-ISHI-01_px650.jpg)
![永島農による自然派ワインショップ「HIBANA NAKAMEGURO」。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/10/04_HIBANA-nakameguro-04_px650.jpg)
その本棚と反対の右手側には、ガラス張りのワインセラーが。こちらは、四ッ谷・荒木町の紹介制ワインバー「HIBANA」店主の永島農(ながしま・あつし)さんが手がける初のワインショップ「HIBANA NAKAMEGURO(ヒバナ・ナカメグロ)」。永島さんといえば、自然派ワインブームの黎明期から “自然派イタリアワインの伝道師” として名を馳せ、その筋の通人たちを唸らせてきた希代の目利き。現地のワイナリーを毎年訪問する熱意のもと、生産者の思想やテロワールを体感させるセレクトの自然派ワイン(中心価格帯:¥3,000〜4,000)がずらりと並ぶ。
![「trattoria in the GARDEN」のカウンターコーナー。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/10/05_trattoria-the-GARDEN-interior-01_px650.jpg)
セラーの向かい側奥には、銅色に輝くカウンターが。じつはこの1階全体が、「trattoria in the GARDEN(トラットリア・イン・ザ・ガーデン)」と題したオールデイダイニング。「quartetto」からシームレスに続く空間で、「書房 石」の本を手に取ったり、「HIBANA NAKAMEGURO」で選んだワインをその場で楽しんだり(プラス¥2,000)。カウンターからテーブル席、テラス席など、思い思いのシチュエーションで、猿田彦珈琲オリジナルブレンド “HIBANA” からディナーまでを楽しむことができる。
![「ristorante scintilla」は、火花(HIBANA)から立ち昇る薄煙をイメージしたブルーグレーの空間。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/10/06_ristorante-the-GARDEN-interior-02_px650.jpg)
店内奥の階段を下りれば、ブルーグレーの壁が広がるソリッドでシックな空間が出現。上階のトラットリアに対して、こちらはファインダイニングの「ristorante scintilla(リストランテ・シンティラ)」。シェフの武笠裕一さんは、「サバティーニ」「ダノイ」「フェリチタ」で腕を奮ったのち、本リストランテの総料理長に就任。“イタリア料理であること” という一貫した理念のもと、伝統に新たなエッセンスを調和させた料理を提供する。
![「ristorante scintilla」のコースメニューより(8品/¥9,000)。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/10/07_ristorante-the-GARDEN-menu-image-01_px650.jpg)
さらに、トラットリアとリストランテで使われるうつわにも注目。独特の手触りとテクスチャーで五感を刺激するプレートやボウルは、陶芸家・滝上玄野(たきがみ・げんや)さんによるもの。店内グリーンに使われる花器類やオリジナルコーヒーなどと合わせ、1階カウンター向かい側「home décor in the GARDEN」で販売される。
![「home décor in the GARDEN」の取り扱いラインナップ例。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/10/08_home-décor-in-the-GARDEN-02_px650.jpg)
それにしても……そうそうたる手練れたちが織りなすこの空間は、いったいどのようにして実現したのか。オープンに際してアタッシェ・ドゥ・プレスの鈴木純子さんからご案内をいただいた時点で、予感はあった。というのも、鈴木さんには弊誌「“テロワール”をめぐる冒険」記事(※1)の監修をお願いした際、HIBANAの永島さんとともに、それぞれ “情熱の飲み手” と “造り手の情熱を伝えるソムリエ” の立場から対談をしていただいた(※2)。
そのHIBANAの常連に名を連ねているのがBACHの幅さんで、武笠シェフは永島さんと同じ「フェリチタ」出身。つまり……自然派ワインというムーブメントを軸につながった目利きたちが、それぞれの感性で築き上げた空間というわけだ。
(※1) 「“テロワール”をめぐる冒険」記事一覧
![1階エントランス付近からの眺め。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/10/09_the-GARDEN-interior-01_px650.jpg)
さらに、1階フロアは屋外のテラス席から続く石のタイル張り。照明からインテリアまで、屋内でありながら自然のマテリアルを感じさせる “ガーデン” のコンセプトがブレずに徹底されているあたり、並々ならぬこだわりにあふれている。じつは、本店舗を展開するのは、ガーデン・建築資材メーカーの株式会社LEC。取締役副社長の大久保圭人(おおくぼ・よしひと)さんはHIBANAの常連で、永島さんの感性に惚れ込み、新規事業に際して協力を依頼し、その人脈と哲学が大いに反映されたというわけだ。
古来、数寄者たちは自身の美の集大成として作庭を行い、その庭で時代を象徴する文化人たちと交流し、新たなムーブメントを築いていった。目黒銀座商店街に誕生した「the GARDEN」が、ここからどんな文化を発信していくのか。ぜひ、楽しみながら体感してみたい。
![「trattoria in the GARDEN」のメニューより。上から時計回りに、「ヴィドフスカ2012」(ヴォドピーヴェッツ)、「秋鮭のマリネ ハーブのサラダ」(¥1,000)、「ツブ貝の小さなコロッケ」(¥700)、「大山鶏の温かいガランティーヌ」(¥1,300)、「シェフ特製 お肉のパテ」(¥1,000)。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/10/10_trattoria-the-GARDEN-image_px650.jpg)
the GARDEN(ザ・ガーデン)
住所/東京都目黒区上目黒2-44-9 1F、B1F
営業時間/
trattoria in the GARDEN:ランチ11:30〜14:00、カフェ14:00〜18:00、ディナー18:00〜23:00
guartetto:11:30〜20:00
書房 石、HIBANA NAKAMEGURO、home décor in the GARDEN:11:30〜23:00
ristorante scintilla:18:00〜23:00
定休日/
ristorante scintilla:日・月・祝
1Fエリアは不定休
TEL/03-6452-4394