デザートバー「ジャニス・ウォン」が奏でる秋の食材を使ったペアリング
美しいビジュアルと繊細な味わいのデザートを堪能できるデザートバー「ジャニス・ウォン(JANICE WONG)」のデザートコースに、日本の秋の味覚を楽しめる和栗、イチジク、柚子を使ったメニューが期間限定で登場。見て、聞いて、香って、味わう、甘美な新作5品をペアリングとともにご紹介!
シンガポール出身のアジアを代表する女性シェフでアーティストのジャニス・ウォン。彼女がプレート上で表現するのは、色彩や質感など、人々の知覚を刺激するエディブルアート(食べられるアート)。その斬新な盛り付けもさることながら、食材が織りなす豊かな味わいや、アルコールからノンアルコールまで揃えたドリンクとのペアリングも醍醐味。 シックでモダンな店内の中心には、お店の核でもあるオープンキッチンが設けられています。お店を訪れるならぜひおすすめしたいのが広々としたテーブルのカウンター席。キッチンを囲むようにコの字型に作られているので、デザートやカクテルが出来上がるまでをライブで楽しむことができるんです。 おすすめのデザートコースに新たに登場したのが、日本らしい秋の食材「和栗、イチジク、柚子」からインスパイアされたタイプの異なる5品。各デザートのアルコールペアリングには、ワインや日本酒に、フルーツやハーブを使ったバリエーション豊かなカクテルがラインナップ。 “グリーン”が生みだすフレッシュなハーモニー 「Green&Green Autumn(グリーン&グリーン オータム)」 最初の一皿は、さまざまなグリーンの食材を集めた「Green&Green Autumn」。大胆に散りばめられたオレンジ風味のオリーブオイル、ライムキャビアのソースの上には、柚子風味のヨーグルトムースと、バジルと青リンゴのソルベ、つぶつぶとしたのほうれん草と柚子のキャビア、大葉のグラニータ、オリーブオイルで真空調理されたマスカット、フレッシュなシーアスパラ、シュガーコーティングされたキラリとしたクリスタルディルが添えられています。柑橘系の爽やかなフルーツと香草の風味が口の中いっぱいに広がり、甘すぎずさっぱりした味わいでとても軽やか。 「Signs of Autumn(サインズ オブ オータム)」という山梨の白ワインを主としたカクテルとともにいただきます。フレッシュな梨と釜炒りの煎茶がみずみずしさをプラス。グラスには紅葉の葉が浮かび、和ごころを感じます。 未体験の燻したデザート! 「Smoky Fig(スモーキーフィグ)」 二皿目の写真を見て、デザートが見えないぞ!?と思った方、そうなんです。なんとこちら、その名の通りスモークされているんです! デザートをスモークするという斬新な発想に驚きましたが、これがとても美味しい。 ベリーが効いたパルフェの上に、フレッシュのブルーベリーとイチジク、ホワイトペッパーと紫芋のクッキー、さらにスモークされたバニラアイス、リコッタチーズなどが並び、端には可愛らしくイチジクと赤ワインを煮詰めたソースがドットに添えられています。一皿目とは打って変わって、ベリーの酸味とコクにイチジクジャムやバニラの甘みがぎゅっと詰まった濃厚な味わい。口に運ぶたびに桜チップのスモークが香り、デザートでは初めての体験でした。 このスモーキーで濃厚なデザートを中和してくれるのが、「Mimic Gewurtztraminer(ミミック ゲベルツトラミネール)」。ゲベルストラミネールというドイツの白ワインに、赤ぶどう、はちみつ、シナモンとホワイトペッパー、レモン、ローズエッセンスを加えたカクテル。ミネラル感のある、甘味なアロマのようにふんわりまろやかに包んでくれます。 和を感じる心温まる組み合わせ 「Hojicha Potate(ほうじ茶ポテト)」 続いては、さつまいもの甘みとほうじ茶の香ばしさがマッチした「Hojicha Potate」。クリームと暖かいエスプーマの2層になったソフトなさつまいもに、サクッと香ばしいほうじ茶のチュイルとメレンゲがアクセントとして活躍。お刺身でおなじみの紅たでやランドクレスが添えられ、5品のなかでも特に和を感じます。対照的な食感と旨味が合わさった一品でした。 和なメニューにはやはり和が合うもので、続いてのペアリングは京都酒蔵の「蒼空」という日本酒を使ったカクテル「Souku-Junmai-miyamanisiki-Hiyaoroshi(蒼空 純米酒 美山錦 ひやおろし)」。春に製造したものを半年熟成して秋にいただくのですが、熟成させることでとろみを帯び、甘みとコクが増すのだそう。和を感じる秋の食材とお酒に、不思議と紅葉シーズンの京都が頭に浮かびました。 まるでメインディッシュ! 「Wild Forest(ワイルド フォレスト)」 四皿目は、デザートというよりは、このコースのメイン料理というようなメニュー。昆布だしのきのこリゾットに、ローストされたハルミチーズ、酢昆布、サクッとした食感のブラックオリーブの大粒パウダーがかけられ、クランブルとごぼうのアイスに、カリカリのベーコンチップがかかっています。どこか大地や土っぽさを感じる味わいで、きのことチーズの濃厚さを、酢昆布やブラックオリーブ、ひんやりとしたごぼうのアイスが引き締めてくれます。和と洋の素材が織りなす味のレイヤーが見事に重なり、濃厚なのにペロリといただいてしまいました! ペアリングのカクテル「Healing Woody Fragrance(ヒーリング ウッディ フラグランス)」もやはり、大地をイメージしたそう。ゲンチアナの根を使ったフランス原産のスーズリキュールに、土っぽさを感じるイチジク、シェリー、ホワイトバルサミコを加え、ハーブの中でも効果や香りが強いとされるローズマリーが添えられています。ハーブの香り、程よい酸味と甘味の味わい深いカクテルが、デザートの旨味をより引き立ててくれます。