J「クローゼットもとにかく真っ黒ですから。みなさんクローゼットってどんな感じですか? お二人ともきれいに整頓されていそう…」
H「ものの種類で分けて、さらに色で分けていますね。コートならコート、スカートならスカート。で、順番を白っぽいものから黒っぽいものに。ボトムは丈の長さでまとめたり。ただし、かなりぎゅうぎゅうです(笑) 最近ハンガーを薄いものに変えました。ベロアの服が滑らないやつ」
J「私もそのハンガー使ってる! すごくいいんだけど、ぎゅうぎゅうに詰めすぎると細いから折れちゃう。ものが多いのがとにかく悩みで。ある人が、ワンシーズン毎に買うものとスタイルを決めて、決まった少ない数のアイテムを小さなクローゼットに入れてそれで3ヶ月着回ししながら過ごすと言っていて。ものすごく賢い!と思ったのですが、この人はそれ以外の服をどうしたのかな?って。お二人は処分できますか?」
K「なかなか捨てるのは難しいですね」
J「もったいないですよね、どうしても。高額のものもあるだろうし。捨てるとなると、断腸の思い」
H「私も捨てられなかった。それが変わったきっかけが東日本大震災。震災の後、東北に物資を送るボランティアがたくさん行われましたよね。あの時に、ワードローブの3分の1くらい寄付したんです。夫に、“大丈夫? 冬寒くない?”なんて心配されるくらいの量。当時は気持ちも必死になっていたから、気に入っていても着ないものはとにかく梱包して。その時に、手放すことは意外と簡単に出来るものなんだなって感じました」
J「確かに。NYに住んでいた頃は、サルベーション・アーミーとか、近所のいたるところに寄付のためのボックスがあって、よくそこに服を入れていましたね。その頃、メンズのストリートウェアのお店で働いていて、supreme(シュプリーム)とかメンズっぽい服をたくさん着ていたんです。ある時、その格好をそろそろやめようと全部そのボックスに入れたら、数週間後近所のホームレスが全身supremeのオシャレなおじさんになってたことがあります(笑)」
K「面白い! 服が好きだからこそ、動機がないとなかなか難しい。でも、動機があると意外と決断できるんですね」
H「あれから日が経って、結局同じくらいに増えてしまったけどね。でもその時思った。処分するのは意外にできること」