JUJU×林田明子×岸本佳子のファッション談義/JUJU’s closet vol.17 | Numero TOKYO - Part 3
Fashion / JUJU's Closet

JUJU×林田明子×岸本佳子のファッション談義/JUJU’s closet vol.17

K「JUJUさんは毎回、本当に黒か、色が入っていたとしてもネイビーとかグレーですよね。私は色が大好きだから、逆に黒だけでそれだけのバリエーションのコーディネイトができるのがすごいと思います」

J「クローゼットもとにかく真っ黒ですから。みなさんクローゼットってどんな感じですか? お二人ともきれいに整頓されていそう…」

H「ものの種類で分けて、さらに色で分けていますね。コートならコート、スカートならスカート。で、順番を白っぽいものから黒っぽいものに。ボトムは丈の長さでまとめたり。ただし、かなりぎゅうぎゅうです(笑) 最近ハンガーを薄いものに変えました。ベロアの服が滑らないやつ」

J「私もそのハンガー使ってる! すごくいいんだけど、ぎゅうぎゅうに詰めすぎると細いから折れちゃう。ものが多いのがとにかく悩みで。ある人が、ワンシーズン毎に買うものとスタイルを決めて、決まった少ない数のアイテムを小さなクローゼットに入れてそれで3ヶ月着回ししながら過ごすと言っていて。ものすごく賢い!と思ったのですが、この人はそれ以外の服をどうしたのかな?って。お二人は処分できますか?」

K「なかなか捨てるのは難しいですね」

J「もったいないですよね、どうしても。高額のものもあるだろうし。捨てるとなると、断腸の思い」

H「私も捨てられなかった。それが変わったきっかけが東日本大震災。震災の後、東北に物資を送るボランティアがたくさん行われましたよね。あの時に、ワードローブの3分の1くらい寄付したんです。夫に、“大丈夫? 冬寒くない?”なんて心配されるくらいの量。当時は気持ちも必死になっていたから、気に入っていても着ないものはとにかく梱包して。その時に、手放すことは意外と簡単に出来るものなんだなって感じました」

J「確かに。NYに住んでいた頃は、サルベーション・アーミーとか、近所のいたるところに寄付のためのボックスがあって、よくそこに服を入れていましたね。その頃、メンズのストリートウェアのお店で働いていて、supreme(シュプリーム)とかメンズっぽい服をたくさん着ていたんです。ある時、その格好をそろそろやめようと全部そのボックスに入れたら、数週間後近所のホームレスが全身supremeのオシャレなおじさんになってたことがあります(笑)」

K「面白い! 服が好きだからこそ、動機がないとなかなか難しい。でも、動機があると意外と決断できるんですね」

H「あれから日が経って、結局同じくらいに増えてしまったけどね。でもその時思った。処分するのは意外にできること」

JUJU、スタイリスト岸本佳子、エディター林田明子のファッション談義
JUJU、スタイリスト岸本佳子、エディター林田明子のファッション談義
J「あと、昔は家の中に洋服がたくさんあるのが楽しくて、ファッションショウとかめっちゃやってたんですよ」

H&K「私もやってた!」

J「でも最近は、やらなくなったな。ウォークインクローゼット無気力。あの気力はどこへ行ったんだろう?」

K「自分に合う服を知っちゃったし、楽しむ観点が変わってきているんだと思いますよ。そこに行き着いてるってことは私たち、相当の数の洋服を試してきたってことじゃないかな?」

H「失敗もたくさんしてきたからね。10代は娼婦みたいな服装でうろうろしていた時期もあったし(笑)」

J「あるある! 海外生活で日常だったファッションを、日本に帰って来てそのまま着ていたら場違いだったりとか! 今思うと、ごめんなさいって感じです(笑)」続く

JUJU’S クローゼット、同世代対談のファッション編はここまで。次回は3人が10代、20代を過ごした海外生活がテーマ。公開をお楽しみに!
Photos:Yuji Namba Edit:Maki Saito Text:Yukiko Ito

JUJU
JUJU

JUJU(ジュジュ)
18歳で単身渡米。04年8月「光の中へ」でデビュー。09年、「明日がくるなら」が映画『余命1ヶ月の花嫁』の主題歌に抜擢され、大ブレイクを果たす。「BEST STORY HALL TOUR 2013」に続き、5月25日から待望の初の全国アリーナツアーがスタート! 6月26日にはJAZZアルバム第2作「DELICIOUS ~JUJU’s JAZZ 2nd Dish~」もリリース。HP/www.jujunyc.net/ Twitter/@JUJUsonymusic

林田明子(はやしだ・あきこ)
林田明子(はやしだ・あきこ)

林田明子(はやしだ・あきこ)
Numéro TOKYOエディター。高校時代までドイツで過ごし、大学入学とともにイギリスへ。セントラル・セント・マーチンス大学院卒業後、フリーランス・スタイリストとして雑誌、広告を手掛ける。26歳で日本へ。ヌメロ創刊時からエディターとして参加、ファッション担当でパリ、ミラノ、ニューヨークコレクションを取材。趣味はドライブ、ダイビング、スキーのアクティブ派。愛犬Q太郎のママ。
Blog/numero.jp/numeroeditor/author/akikohayashida/

岸本佳子(きしもと・よしこ)
岸本佳子(きしもと・よしこ)

岸本佳子(きしもと・よしこ)
Numéro TOKYOコントリビューティング・ファッションエディター、スタイリスト。ロンドン留学でファッションを学び、帰国後Numéro TOKYOに参加。編集長でスタイリストの田中杏子に師事。ファッションエディターとして活躍するほか、フリーランスのスタイリストとして雑誌や広告、そしてタレントの衣装なども手がける。ハイ&ローのMIXスタイリングが得意。
Blog/numero.jp/yoshikokishimoto/

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