写真家 ヴィヴィアン・サッセンにインタビュー「美大生時代ARAKIに影響を受けた」 | Numero TOKYO - Part 2
Interview / Post

写真家 ヴィヴィアン・サッセンにインタビュー
「美大生時代ARAKIに影響を受けた」

雑誌をはじめ、ブランドの広告キャンペーンビジュアルなど世界的に注目を集めるフォオグラファー、ヴィヴィアン・サッセン(Viviane Sassen)にインタビュー。(「ヌメロ・トウキョウ」2017年5月号掲載

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Coco 2013, series Pikin Slee ──子どもの頃からフォトグラファーになろうと? 「父が写真や映像に興味を持っている人で、昔からペンタックスやスーパー8のビデオカメラをどこへ行くにも持ち歩いていました。ケニヤからオランダへ戻ったとき、家族のアルバムを何時間も見て過ごしたのを覚えています。あの写真は魔法のようでした。アフリカでのもう一つの人生はパラレルワールドというか、すぐそこにあるようで、何光年も先にあるというか…。写真を4年間勉強したあと、大学院へ進んでファインアートを専攻しながら写真の勉強も続けました。 (左から)Almando blue 2013, series Pikin Slee、Gulúntu 2013, series Pikin Slee 1997年に卒業してすぐにフォトグラファーとしてのキャリアを積み始めました。最初の頃は結婚式や小規模で商業的な仕事をこなして、徐々に自分のために撮る写真も増やしていったんです。誰にも何にも頼らず、自由に作品が作れるようにコマーシャルな仕事で得た収入を自分のプロジェクトに回していました。写真というフォーマットでストーリーを生み出すということが面白くて仕方なかったのです。私はその頃『RE—magazine』をはじめとするアンダーグラウンドの“Zine(ジン)”と関わることが増えていました。友達と一緒に文学雑誌や写真雑誌を立ち上げたりしているうちにPurple、i-D、Dazed & Confused、Self Serviceなどのインディペンデント誌から声がかかるようになって、私の作品を掲載してくれたり、ファッションフォトグラファーとして起用してくれるようになりました」
PLim_digital_banners_Vogue
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キャンペーン写真(上)3.1 Phillip Limの2017年春夏キャンペーンヴィジュアル。3.1 フィリップ・リムとの5回目となるコラボレーションは、「ラブ、イノセンス、ハートブレイク、希望」をテーマに魅惑的でモダンなイメージを表現。(左下)「ボッテガ・ベネタ(Bottega Veneta)」の2016年秋冬キャンペーンヴィジュアル。非凡な感性、光と影に対する鋭い感覚を駆使し、独自の視点で「ボッテガ・ベネタ」の世界を切り撮っている。(右下)「ポール・スミス(Paul Smith)」の2016年春夏キャンペーンヴィジュアル。「何ものにもとらわれない独立心」をテーマに、力強い色合いの中に「ポール・スミス」のクラシックなスタイルを際立たたせている。
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Yellow Vlei 2014, series Umbra ──作品の特徴である影はどのようにして確立されたのですか。 「“Umbra”はラテン語で“影”という意味です。『Umbra』というタイトルで写真集も出していますが、私の作品には影が大きな役割を果たすことが多いので、何かしらの理由があると考え、探求してみようと思ったのです。自分でもなぜ無意識に影に執着しているかわからなかったので…。影というのは何かの全体像の中の大切な部分を秘めるというか、隠す効果があると思うんです。それに知らずに引きつけられていたのかもしれません。つかみどころがないミステリアスなあの感じに…」

写真は妄想の現実化

Photos : Viviane Sassen
Translation : Nina Utashiro
Edit & Text : Maki Saito

Profile

Viviane Sassen(ヴィヴィアン・サッセン) 1972年オランダ・アムステルダム生まれ。ユトレヒト芸術学校、アーネム王立芸術アカデミーでファッションデザインと写真を学んだ後、フォトグラファーとして雑誌をはじめ、Miu Miu、Louis Vuitton、Carvenなどの広告キャンペーンヴィジュアルを撮影。鮮やかな色彩、強いコントラストと影、空想とリアリティが交差する独特な視点で世界を魅了している。今年4月には南アフリカ・ヨハネスブルグで初の個展を開催し、10月6日からG/P Gallery(恵比寿)にて写真展「Of Mud and Lotus」を開催。現在もアムステルダムを拠点に活躍中。 (Photo : Hanneke van Leeuwen Collage : Viviane Sassen)

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