ファッションに愛されたアーティスト、Sokoにインタビュー
フランス出身のアーティスト、Soko(ソーコ)。作詞作曲、演技、映像ディレクションなどクリエイティビティあふれる“表現”を続ける彼女。ファッションシーンからもラブコールが絶えず、新世代のファッションアイコンとしても注目を集めるSokoにインタビュー。LAで撮り下ろしたビジュアルとともにお届け。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2017年4月号掲載)
──ミュージシャンと女優、それぞれを目指すようになったきっかけは?
「幼い頃から、ずっと自分の人生から逃げ出したいと思っていました。だから役になりきり、自身のことを忘れられる演技は心地の良い創作活動だったんです。どちらも始めたのは同時期で、5歳で父を亡くしたとき。母が私の気を紛らわそうと、演劇クラス、ピアノ、歌、ダンスなどいっぺんに習わせてくれたんです。19歳の頃から音楽に集中し始めました。演技よりもっとパーソナルな世界を作り上げた方が楽しいと思ったんです。今はいいバランスで両方とも楽しくできています」
──俳優業では昨年、伝説のダンサー、ロイ・フュラーを演じた『The Dancer』がカンヌで話題となりましたね。
「この作品はシナリオの段階から携わり、製作期間およそ6年をかけてようやく完成した一作。いままでで最もやりがいのある役だったので、さまざまなところから注目されてとても光栄でした」
──ダンサーの役作りはどのようにされたんですか?
「2ヶ月間毎日7時間のトレー二ングをして肉体的にも精神的にも追い込んでいきました。実は、ダンスは苦手。昔クラスで一番下手なデブ!と自分を思っていたほど。でもロイも自身の体型はダンサーとして充分に痩せていないと思い、美しいシルクのドレスで体を隠したことから、魔法ような表現を生み、時代のパイオニアとなったんですよね」
Photos : Janell Shirtcliff
Fashion Editor : Nao Koyabu
Edit : Yukino Takakura