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People Interview

ぼくのりりっくのぼうよみ×古市憲寿
スペシャル対談

「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2017年7・8月合併号では、ミレニアル世代を代表する、ぼくのりりっくのぼうよみ(ぼくりり)と、社会学者で『絶望の国の幸福な若者たち』著者の古市憲寿が、「ミレニアルズとは何者か?」をテーマに対談。話題はさらに発展し、Numero.jp限定にて、ぼくりり誕生までの軌跡や作品づくりへの思い、今後の展望について古市憲寿がインタビュー。

Photo:Motohiko Hasui
Direction:Sayumi Gunji
Text:Etsuko Soeda

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なんとなく始めたラップ投稿からデビューまで

古市憲寿(以下、F)「そもそもアーティスト活動の発端になったところから聞きたいのだけれども、もともとはニコニコ動画の「歌ってみた」に投稿していたんだよね?」

ぼくのりりっくのぼうよみ(以下、B)「そうですね。最初はそれをやっていて、その後たまたまニコラップをやっている人の動画をみて、かっこいいなと思ったんです。ツイッターでやり取りしているうちに、その人と仲良くなっちゃって。そしたら『やればいいじゃん?』って言われて、軽い気持ちでやってみようかなというのが始まりです」

F「ラップってそんなにやろうと思ってすぐできるものなの?」

B「最初はすごく棒読みだったんですよね。それで名前が……(笑)」

F「そういうことだったんだ!」

B「ラップってやればやるほど、聴けば聴くほどうまくなるものなんです。それは僕に限らず、ニコラップに投稿する人たちみんな同じで。一作目では『これダサくない?』みたいな人たちが3ヶ月後には別の曲で『あれ?こんなにうまくなるんだ?!』っていうほど上達していたりするんです」

F「でもネット上に楽曲を発表することって、批判にさらされたり、いろんなリスクや怖さとかもあるわけでしょ。そこはどうやって乗り越えてきたの?」

B「ぼくはアカウントさえ消せば別にいいしと思っていましたね。そこで関わった人は一生関わらないだろうしっていう意識でした。学校の友達とかに聴かせて下手だったりするほうが恥ずかしいかなと。『あいつ下手くそなラップやっていて、それを聴かせてくるんだよ』とか言われたりしそうで(笑)」

F「顔はいつぐらいから出すようになったの?」

B「ニコラップのなかで若干のバズを見せ、界隈の人がぼくのことを知っているという状態になってからですね。界隈の人が集まるイベントが渋谷のWOMBでやることになり、そこに参加することになったんです」

F「これまでアカウント上だけだったファンの人たちが実際にいるという状況になったんだね。どんな感じだった?」

B「不思議な感じでしたね。僕のラップが好きだという人に『あ、ぼくりりさん!』って話しかけられたり、今までの生活圏内で味わったことのない現象というか。それまで本当に普通の高校生だったので」

F「デビューはどうやって決まったの?」

B「高2でイベントに出たのでその直前だったのですが、いきなり大人の人たちからメールが来て、胡散臭いなって思いました(笑)。まだ再生回数1万回くらいでしたからね」

F「よく発掘されたよね」

B「うーん、(その大人たちは)暇だったのかな(笑)?」

新曲『SKY’s the limit』はダサいのか!?

Profile

ぼくのりりっくのぼうよみ
1998年生まれのラッパーで現役大学生。2013年より動画サイトに楽曲を投稿。高校2年のときに日本最大級のオーディション「閃光ライオット」に応募、ファイナリストに選ばれるなど高い評価を受け、2015年12月にメジャーデビュー。文学性の高いリリックで注目を集め、『文學界』にエッセイを寄稿するなど、音楽以外でも才能を発揮している。

Profile

古市憲寿(ふるいちのりとし)
1985年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。若者の生態を的確に描出し、クールに擁護した著書『絶望の国の幸福な若者たち』で注目される。日本学術振興会「育志賞」受賞。著書に『だから日本はズレている』『保育園義務教育化』などがある。NHK「ニッポンのジレンマ」MC。

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