最高にクールなロックデュオThe Killsインタビュー | Numero TOKYO - Part 2
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最高にクールなロックデュオThe Killsインタビュー

ジェイミー・ヒンスとアリソン・モシャートによるアイコニックでオリジナルな存在感を放ち続けるロックデュオ「ザ・キルズ(THE KILLS)」。昨年リリースされた5年ぶりのアルバム『アッシュ&アイス』について、そして気になる二人の関係について話を聞いた。

大西洋とペットボトル、二人を隔てる距離感 ──今回のアルバムはロンドン、ナッシュビル、L.A.、ニューヨークととにかくいろいろな街の創作活動があったとのことですが、二人はイギリスとアメリカと離れた二人から始まっていて、移動や距離というものがついてまわるように見えますね。 アリソン「このバンドが始まったとき、私はフロリダ、ジェイミーはロンドンで、それぞれ別々に活動していたの。そういう意味では、距離が離れているってことが、このバンドにインスピレーションを与えていたと思うわ。2枚目以降はいつも二人同じ場所で作ってきたんだけど、私はまず最初は一人っきりで作業をするが好きなの。それから、お互いが新曲のための素材を持ち寄って、シェアしがら進めていくという方法で作っているの」 ジェイミー「僕らには常に大西洋を越える感覚があって、そのことによって、僕には世界が小さな地図のように思えるようになったんだ。世界中をめぐることだって全然難しいことじゃない。このバンドにはいつもアメリカに向かって、 ロンドンに帰るといったプロセスがある。多くのバンドが、イギリスを離れず、アメリカを離れず、あるいは、ヨーロッパを離れないでいる。そんな中で、アリソンがアメリカ人で僕がイギリス人であることで生まれるこの移動のプロセスは、僕らのバンドにとって本当に大切なことなんだと思っているよ」 ──ザ・キルズは国籍が異なる上に、男性と女性という異性のデュオです。パートナーというわけでもなく、ここまで長く続いている男女のロック・デュオって他に思い当たらないし、唯一の存在のような気もします。 ジェイミー「二人で始めて、ただそのままここまで来ちゃっただけなんだけどね。最初から“人生がそのままバンド”みたいなやり方で続けたい、というのを理想に思っていたんだ。だから、フガジのような息の長いバンドに対する敬意はもちろんあったよ。生活として音楽を続けていくことをとても大切に思っていたんだ。スマッシュヒットを狙って当てることよりも、長く続けていけるバンドであることが大切だと思っていた」 ──そうなると、男女である二人の関係も大切ですね。 ジェイミー「(ペットボトルを二人の間にはさんで)これくらい離れているとちょうどいいんだ(笑)。15年くらいやっているとその距離感はわかっているつもりだよ。ここから先に踏み込んではいけないというボーダーがあって、それはお互いに尊重出来ていると思う。それ以上踏み込めば彼女が怒る、イライラするというラインは心得てるよ」 ──確かにステージでの二人の立つ距離感も絶妙ですね。 ジェイミー「距離感こそが長くバンドを続けるためのとっておきの秘密だよ。15年以上バンドを続けたいと思うならそれが唯一の秘訣。僕らはコツを掴んでるんだ(笑)」

アルバム『アッシュ&アイス』の情報はこちら

Photos&Text:Shoichi Kajino
Edit:Masumi Sasaki

Profile

THE KILLS(ザ・キルズ) ヴォーカリストのアリソン・モシャール(右)とギタリストのジェイミー・ヒンス(左)、フロリダとロンドンでそれぞれ活動していた二人が出会って誕生したロック・デュオ。2003年「Keep on Your Mean Side」で鮮烈にデビューを果たす。昨年発表された「Ash & Ice」は5作目。アリソンはジャック・ホワイトとのバンドThe Dead Weatherでも活動。ジェイミーは私生活において、ケイト・モスのパートナーとしてもその名を知られた。

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