KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2017ジャダ・リパが往還させた日本の過去と現在 | Numero TOKYO - Part 3
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KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2017ジャダ・リパが往還させた日本の過去と現在

アートと深い関わりを持つシャンパーニュメゾン「ルイナール(Ruinart)」が、「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2017」にてフィーチャーした、イタリア人女性写真家ジャダ・リパにインタビュー。

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セルフポートレートに込めた曾祖母への尊敬の念

──あなた自身が被写体として登場している作品もありますね。

「自ら被写体になって、マティルドに語りかけているイメージね。長崎で撮った作品は、マティルドが滞在中に描いた絵にインスパイアされたもの。青い着物姿の私がセルフポートレートを撮ることで、当時の場所と装いに近い形で彼女にトリビュートしたかった。これまで私は歴史を辿るドキュメンタリーの仕事をたくさん手掛けてきた。自然の中であえて後ろを向いた姿のセルフポートレートを撮ることで、環境と人間の関連性や過去と未来の対比を強調させる手法はよく使うわ」

──今回のプロジェクトを通して、マティルドのパーソナリティはどんなものだと感じましたか?

「彼女は冒険心があって知性も深く、そして好奇心が旺盛な女性ね。彼女の膨大な手紙や日記を通して、いかに日本から毎日たくさんの刺激をもらっていたかがうかがえた。当時は危険と言われていた居留地以外のエリアにも赴いていたの。ギャラリーの入り口中央に拡大して置いたフェリーチェの写真は、まさにそんな彼女の人柄が表れているとても重要な一枚。1867年、商用で初めて来日した時の大使団一行を撮ったものなのだけれど、250人近くいたメンバーの中で、女性はマティルドただ一人。まさに彼女の勇敢でインテリジェントな姿を象徴している。彼女の怖いもの知らずで前向きな姿勢は、現代の女性にも共感できると思う」

ジャダ・リパの展覧会情報はこちら

Giada Ripa「The Yokohama Project 1867–2016」
presented by Ruinart

会期/開催中〜2017年5月14日(日)
会場/ギャラリー素形
住所/京都市中京区室町通二条下ル蛸薬師町271-1
TEL/075-253-0112

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2017
会期/開催中〜2017年5月14日(日)まで
URL/www.kyotographie.jp

Photos:Makoto Ebisu
Interview & Text:Chikako Ichinoi
Edit:Masumi Sasaki

Profile

Giada Ripa(ジャダ・リパ) イギリス・ロンドン出身。ミラノ大学で修士号を取得した後、NYの国際写真センター(ICP)で写真を学ぶ。2002年以降、中央・東南アジアにおける宗教マイノリティーの撮影を行い、作家活動における主要な作品を制作。現在、ミラノ・ドムスアカデミー及びICPで写真の授業を受け持つ。(©️James Hill)

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