クリスタルはアフリカ系アメリカ人の父と韓国人の母の間に日本で生まれ育った。
1999年に13歳という若さで日本でデビューした時の衝撃を今でも覚えているよ。
俺の世代の子たちはクリスタルが青春ドンピシャだったはず。
英語と日本語混じりのリリックでジャネットジャクソンのよう爽やかに歌っていて、超かっこよかったもん。
今ではハーフ=かっこいい/おしゃれという勝手なイメージはあるけど、当時はハーフ=外人、つまり”外の人”ということであまり良いと思わない人が多かったはず。
彼女の活動によって、日本に住んでいるハーフの子は共感を持つ人が多いんじゃないかな。
むしろ出てきたおかげでなんらかのいい影響を世の中に与えたと思うよ。
なんてったって元祖ハーフアーティストだったから。今では当たり前だけど。
クリスタルは日本で15年間活動してきて、(今でも日本で活動をしているが)世界に挑戦するべく2013年から拠点をNYCに移したんだ。
俺とタイミングが合ったということもあり、今は彼女のアメリカマーケットのパブリシストを担当しているよ。
2009年からお互いのことを知っていたけれど、それまでに遊んだことは一切なかったんだ。2014年になって一緒にコラボすることになるとは全く思っていなかったよ。
本当にYOU REALLY NEVER KNOWだね!
彼女のプロモーション素材をクリエイトするべく、今回初めて俺が彼女のルックを完全プロデュースした。
前々からビジュアルプロデュースに対して興味があったからこんなチャンスが訪れて内心嬉しいと思った。
今回のビューティーチームは、チャイニーズ系フィリピン人のフォトグラファーEdric Chen、ポーランド系アメリカ人のスタイリストCourtney Raniszewski、日本人のメイクアップアーティストKouta、スペイン系アメリカ人のヘアスタイリストCash Lawless、そしてスパニッシュ系フィリピン日本人の俺がクリエイティブディレクターによってチームが出来上がった。
我ながらめっちゃインターナショナルやん!と思ったよ。
やっぱりミックスカルチャーが集まって、何かを作るのってすごく楽しいし必ずいいものが生まれるんだ。
写真をみてくれたらわかるはず。
アメリカでやっていくにはやっぱりビジュアルがキーポイントだから彼女のトライカルチャーを活かして、日本っぽさも出してみたかったの。
海外アーティストでグウェン・ステファニー、ニッキー・ミナージュ、アブリル・ラヴィーンがいわゆる”HARAJUKU KAWAII GIRLS”をやっていたけど、日本人目線から見ると無理があると思わない?
それはそれでかっこいいし、オーディエンスが反応してたからいいとは思うけど。
Japan is crazyよりもJapan is beautifulに路線変更するべく、ジャパニーズミニマルを世界に打ち出したら少しは見方も変わるんじゃないかな。
これからはミニマルモードがまた熱くなってくるからね。
それに本来ならば日本人という部族は品がありミニマルなはずなのに悲しいことに今ではそれは忘れかけられているよ。
Less is moreだよ。
和風のヘアスタイルにかんざしをさし、メイクと衣装はミニマルにしシルエットで訴えかけているこの写真が一番お気に入り。
リップは舞妓さんのようにテクスチャーをマットめにしてみた。
フォトグラファーのEdricは被写体の感情を写真から取り出すのがものすごくうまいから今回ラブコールを送ってこの撮影が実現したんだ。
クリスタルは横浜出身で、横浜と言ったらやっぱスカジャン!?
これはわざわざ日本で作って撮影に使ったんだ。
カジュアルでだらしなく見えるスカジャンをブラレットとタイトなペンシルスカートで合わせてみた。
残念ながら写真では見えないけど、足下はサンローランのパテントハイヒールを投入。
ストリートラグジュアリースタイルが個人的にすごく好きなんだ。
特注の特攻服ももちろん、MADE IN JAPAN.
”クリスタル”や”純粋無垢”という刺繍がされていて、かなりいかついアイテム。
でもブラレットとハイウェストブルマでスタイリングしたらモードじゃない?!
桜吹雪と髪のウェーブがいい感じにマッチしていて美しい。
15年間日本で活動してきたから、(現在も日本で活動している)音楽がいいのは当たり前。
しかし、日本はアイドル文化でカラオケで盛り上がれる曲が売れている傾向がある気がする。
セーラー服、前髪ぱっつん、ピース、はいっイェーイがウケているから本当の才能のあるアーティストからしたら日本がどんどんやりにくくなってるよね。
かっこよくセクシーにパフォームしたら今度はメディアに叩かれるのがオチだし。
それに対してロリコンフェティッシュがあれだけ全面的に出ているのに大丈夫かなと思うけど。
2020年のオリンピックにアイドルがパフォーマンスしたら、間違いなく世界からバッシングを浴びるからそれだけは避けてくださいねw
これはアメリカでも言えることだけど、売れるような曲を次から次に出して稼ぐ傾向になっているのが残念だな。
本来ならば音楽は心や記憶に残るべきなのに、それがどんどん消耗品化している気がする。
やっぱ90年代後半、2000年前半のR&B/ヒップホップがものすごく好きだな。
その音楽を聴くと、当時のいろんなエピソードが蘇ってきて素敵な気持ちになれるもん。
クリスタルのThink of Uは中2のときにエンドレスリピートで聴いてたっけ?w
友人として、アメリカのパブリシストとして、そして一ファンとして彼女の大きな決心に対してすごく尊敬をしている。
15年間という長く素晴らしいキャリアからNYで新人アーティストのように一からスタートするわけだから、生半可の気持ちではできないし必ずしも全ての人間ができるわけではないから。これはどの業界でも言えること。
クリスタルもあのまま日本だけで活動することだってできたけど、あえて自分の”comfortable bubble”つまり”楽ばポジション”から脱却し世界に挑戦するんだもん。
アメリカでの活動がどうであれ、彼女の勇気を認めるべき。そして価値があると思うから日本からでも是非サポートしてほしいな。
J-POPがこのまま死んで行かないように…
All pictures by Edric Chen of At East | Jed Root
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