2017年秋で30歳になる自分。
人生1回しかないし、この節目にどうやってこれまでにない成果を残すか、常に考えている。
60歳になって振り返ったときに、30歳にこういうことをしたな、楽しかったなと思えるような思い出を作りたい。
今は日本撤退してしまった、American Apparel JapanのPRマネージャーというポジションに就いたのは2011年で、その頃は24歳になったばかり。
PRマネージャーになるには、早くても30半ばか40代の前半。
あの歳で就くことができたのは、いろんな理由が重なって、奇跡に近かった。
正直不安ばかりで、自分の土俵にいる人たちは自分よりもずっと年上で、もっと経験があって、肩を並べるために背伸びばかりしていた。
「ちゃんとしなきゃ、しっかりしなきゃ」という一心で、強がったりしたせいか、人当たりがきつかったかもしれない。
人よりも童顔で、子どもっぽく見られることについても気にしていて、今は克服したが、当時はものすごくコンプレックスだった。
だが、アメリカやヨーロッパだと、キャリアにおける年齢は関係ないようだ。
20代でも、シニアポジションもいるし、マネージャーレベルの人も結構みる。
そもそも、面接で年齢なんて聞かれないし、履歴書には書かなくていい。年齢で実力が分かるわけではないからだ。それよりも、職歴。キャリアを通じて、どんなことをこなしてきたかで能力を判断される。
日本だと年功序列制度がいまだに残っているわけだけど、海外だと年齢に関係なく、(たとえとっても若くても)フレッシュなアイデアをもち、アグレシッブに仕事ができる人が重宝される印象。
ラグジュアリーブランドでも、コンテンポラリーブランドでもね。
特にデジタル系の職業は、逆に若くないと務まらないと思うんだ。
デジタルネイティブで育った世代は、一から勉強するよりも肌感覚で分かる。何をやったらウケるのか、何がイケてるのか、さじ加減を理解しているからね。あとは戦略とコツを掴めば、一人前になれるはず。
おそらく、若すぎると、自分だけが分かっている感覚だけで動いてしまい、経験不足だけに理論に基づいた行動ができず、ディレクションができないという理由で昇進またはビジネス開拓がしにくいのかもしれない。
若い世代で、自己判断が正確で、かつ常識があって、プロフェッショナルに仕事ができる人材が求められているはず。問題が発生した場合に、どのように対応するのかで器の大きさも求められる。特にポジションが上になればなるほど必要。が、現実は理想通りにいかない。
どこまでプライベートで、どこからプロフェッションなのか線引きできない人が意外に多いから、仲のよい友達と仕事することになれば、これは関係が崩れる理由にもなり得るため、友達と仕事するときはより細心の注意を払わなければいけない。
ちょうど、 日本ファッションPR界の神、ステディ スタディの吉田瑞代さんとFashionsnap.comに対談インタビューが掲載されたからよかったら読んでみて。
彼女が築き上げてきたキャリアとノウハウ、新世代の僕とのキャッチボールが新鮮でいいかも。普段仲良くさせていただいてて、プライベートではよくそういった会話をするのだが、実際記事になると照れ臭いものだ。
瑞代さんの大御所なのにお茶目な性格と、僕のお調子者な性格が、いい感じに面白く書かれた内容だと思っている。それでいて、トラディショナルPRとデジタルPRは別部門だというのが伝わるといいな。
ショップ店員でキャリアをスタートし、アメアパのPRになって、現在デジタルPRという職業に就いた流れが書かれているよ。
Fashionsnap.com、この記事の聞き手の高村さんは僕がアメアパでPRしてたときからのお付き合いだから、彼女に記事を書いてもらえたことは嬉しいし、僕の過程を見てきているからリアルな内容になっている。
トラディショナルとデジタルの違いがあっても、共通しているのはファッションPRという点。ファッションは常に新しくて先進的なアイデアが必要だから、PRに柔軟性のある若者のブレインは必要不可欠だと思っている。
大学は卒業したけど、今の職業とは全く無関係で仕事が成り立っているから、学歴や年齢よりも、その人とのフィーリングと、そして可能性を僕は重要視する。
いくら“良い学校”を出ても、年齢を重ねても、意識が低い人は低いからね。ひとくくりには言えないよ。
つまり、キャリアの中で、何年も経験しないと一人前になれないとか、ならせないというよりも、いかに短い時間で効率よく、高いクオリティで成長できるかについて目を向けるべき。「何年」という期間を設けると、だらだらしてしまうかもしれないからね。僕は短期集中型だから、一気にパワーを発信したいタイプだし、デジタルのツールなんて、数年であっという間に変わってしまう。
アイデア勝負の僕の場合は、定期的に脳ミソの充電をしないとアイデアが枯れちゃうから、時間を有効に使い、オンとオフを分けている。
友達のSNSはチェックするけど、いわゆるリサーチのためにオンラインにし放しにしないように心がけてる。
年齢とキャリアは反比例するし、一概にいえない。
若きパイオニアが、たくさん世に出てほしい。
自分の得意分野を、伸ばせばいいこと。
日本では、オールジャンル・オールマイティがデキる人みたいに思われがちだけど、アメリカでは1つのことに徹底的に長けている人がプロと呼ばれる。
自分の苦手なことは、それを得意な人に任せて、最強のチームで構成された組織を作りたいね。
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