ファッションブランドが溢れかえっている時代の中、本当の”ファッション”は実は少ないのではないかと考えている。
流行のせいか、ラグジュアリーブランド、ストリートブランドそしてファストファッションの間で似たり寄ったりの商品を目撃することが多いと思わない?
極論を言わせて頂くと、”ファッション”という定義はもはやないのではないかと思う。
ファッションを学んだことのない俺には偉そうに言える資格はないかもしれないが。
そんな俺のように、ファッション学生ではなくても、ファッションの原点を一から学べるチャンスが東京、銀座に巡った。
銀座アップルストアの真横に突如出来た、「エスプリ ディオール – ディオールの世界展」はなにがなんでも行ってみるべき。
ファッション好きの人には極上の幸せが味わえる場所と言っても過言ではない。
パリから来ている、今日までのクリスチャン・ディオールのアーカイブドレスが見れるのはとても贅沢。
4フロアで構成される会場は、ドレス、フレグランス、アクセサリー、資料や写真を通して、ブランドの創業者であって、デザイナーでもあったクリスチャン・ディオールの時代から後継者ラフ・シモンズの才能によって支えられる現在までの歴史が学べる。
東京滞在中に#EspritDiorTokyo を通して、普段触れることの出来ないディオールの世界観を一気に吸収できたのが本当によかった。
まず、若き頃のクリスチャン・ディオールは、画廊出身だったということは知らなかった。
23 歳にして2 軒の画廊を次々と開いたクリスチャン・ディオールは、のちに20 世紀の偉大な芸術家に数えられるようになる多くのアーティストの作品を展示したそう。その中でもピカソ、デュフィ、ブラックらの常連はもちろん、ダリ、 ジャコメッティ、デ・キリコ、マックス・エルンスト、レオノール・フィニ、そして親友であるクリスチャン・ベラールらの紹介にも励んだそう。
当時の狂乱の時代のパリにあって、彼はジャン・コクトーを始めとする偉大な芸術家たちと親交を結んだそう。
会場の一階の入口から彼と芸術の関連性について展示がされているよ。
これはレディー・ディオールバッグに日本でもファンの多いアンディ・ワーホールのアートが描かれている。普段の彼のアートはポップすぎて苦手だったけど、このように繊細でヨーロッパらしいアートも描けるんだという意外性がみれてよかった。
この写真は世界的に有名な一枚。
まるで女性の体に彫刻を施したか のようなジャケット。ゆったりとして踊るようなスカートと、過剰ともいえるペプラムの入った構築的なジャケットとの組み合わせは、アイコン的なシルエット になった。それは彼が若き頃に建築、図形、立体に熱中していたバックグラウンドから来ているクリエイションなのは間違いない。
当時、上流階級のマダム達は、昼間からバー(プラザアテネのバー)に出かけてお酒を楽しんで社交活動をしていたの、そのためのジャケットがバージャケット。
女性らしさを極めるアーキテクチャとしてメゾンを象徴するこのバー(Bar)スーツは、毎シーズン、創始者からインスパイアされ、モダニティを加えて、現在のデザイナーであるラフ・シモンズによるリクリエイトが行われている。
ちなみに、ラフ・シモンズによってクリエイトされたバー(Bar)コートがこのエキシビジョンでみることができる。
特にこの展示はとても画期的。コート周りにある円状の物はスキャナーで、隣に置いてあるパネル上でコートの図解や縫製の過程もみることができる。
このシステムは本当にすごくてとても未来的で感動した。
ディオールと日本は実はとても親密な関係にあるのはご存知?
元 を辿ると、クリスチャン・ディオールが子供の頃から日本が情熱の対象だったそう。日本の文化に心惹かれ、日本人が伝統を尊重しつつ現代的な感覚も合わせ 持っていることが大好きだで、特に日本製の生地をこよなく愛用していたそう。メゾン設立の当時、すでにクチュリエの想像世界からは〝トーキョー〟あるいは 〝ウタマロ〟と名づけられたデザインが誕生している。
1959 年4 月10 日、正田美智子さまと皇太子殿下との結婚の日、パレードの馬車に優雅に座っていた美智子さまは、クリスチャン・ディオールが製作したローブデコルテを着られていた。
かつての日本人が持っていたミニマリズムと、フランス人が持っているミニマリズムの相性がよかったからだと、個人的に考えている。
この写真は、ガリアーノが当時デザイナーだった頃に葛飾北斎へオマージュを捧げたドレス。
ジャポニズムが炸裂している作品である。
これはアイコンパフュームである、J’adore Christian Diorのビジュアル。
クリスチャン・ディオールは貴族たちのために衣装を作りたいという思いからメゾンを始めたわけだが、その思いはこのビジュアルからも感じることができる。
美しいドレスを完成させるためには、パフュームがなければ未完成であると考える彼は、J’adore Christian Diorをクリエイトした。
ボトルの形は彼のラッキーナンバーである「8」からヒント得たデザインになっているそう。
地下一階では、このエキシビジョンのためにパリから来日されている職人たちによってハンドメイドされている過程がみれるのも必見。
パフュームのリボンを結ぶのも彼らの手によって完成されている。
これはディオールのアイコンチャームのパーツ。
白いドレスにみえるのはドレスが完成される前の過程。
2015年1月4日まで行われている#EspritDiorTokyoは無料で見ることができるのが嬉しいね。
老若男女楽しめるこのエキシビジョンは何度見に行っても飽きない内容になっている。
見る順番としては一階→地下一階→二階→三階という順でみるとより世界観がわかることができるよ。展示品を見ながらBGMにも注目して欲しい。四感を刺激されている気がして、細部まで目を配るべき。
先 日銀座を歩いていたら普段の銀座では分布しない、若くて今時のおしゃれな子たちが会場付近でたくさんみた。学校の放課後や休日を使ってわざわざ若い子たち が銀座に行く姿がみれてなぜか嬉しかった。銀座って、お堅いイメージがあるけど日本の古き歴史が感じれる気がしてとても好きなんだ。
おしゃれなおじいちゃんおばあちゃんもたくさんいるし面白いよ。
ということで、長くなったけど行くことをおすすめする。
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