あの人を誘って行きたい、注目の鮨屋
食通のゲストセレクターを迎え、いま注目の“食の世界”をおすすめのレストランとともに紹介するフード連載。Vol.7は、人気収納サービス「サマリーポケット」を手がける鮨ジャンキーの山本憲資が、一流店から独立した注目の鮨屋をピックアップ。(「ヌメロ・トウキョウ」2019年4月号掲載)
いま狙うべきは、
一流店から独立したとっておきの新店
人気の寿司屋は予約数カ月待ち、電話すら全くつながらないというところも珍しくはない。待ちに待った念願のお店のカウンターに座るのも愉しみの一つだけれど、どちらかというと、今宵は寿司の気分だと思い立って訪れたかったりもする。
そんなときに、当日まで何席かは常連向けに空けておいてくれる行きつけの店なんかがあったりすると、まぁそれはベストだけれど、まるで小説の世界のような振る舞いが簡単でないのは僕ももちろん同じなわけで。そこで狙うところといえば…、そう、昨年から今年にかけての寿司屋のオープンラッシュに乗らないわけにはいかない。一流店で修業を積み、満を持して独立したお店に目を光らせようではないか。グルメサイトの点数もまだ高くはなく、馴染みの数も限られているとなれば、比較的予約も取りやすい(ここに紹介するお店の中にはすでに1カ月待ちというところもありますが…)。
今回ご紹介できなかった鮨真出身の御成門「冨所」、三谷で修業をされたご主人の赤坂「加とう」、青木の愛弟子の銀座「杉さわ」など佳店は多い。一軒くらいは今のうちから通って、顔を覚えてもらうべし。
鮨いしやま
「修業先も初めて任された店も銀座でしたから、独立後もこの街で勝負したかったんです」。「鮨いしやま」の石山孝雄大将は34歳。昨年夏にここをオープンして以降、試行錯誤を重ねつつ真のおいしさを追求。「当店では全ての鮨に赤シャリを使用してますが、米の炊き方から塩や酢の味加減まで一つ一つ納得のいくやり方で。常に恐れず新しい可能性を探っていきたい」。
お昼時には15貫(¥10,000)のランチを、夜はつまみ6、7品と約15貫のコース(¥25,000)を楽しめる。恋人とのデートはもちろん、いろんな場面で重宝しそう。
握る手つきも美しい。
住所/東京都中央区銀座3-3-6 銀座モリタビル4F
営業時間/12:00~14:00、17:30~22:00
定休日/月
TEL/03-3538-3969
恵比寿えんどう
2月初めに開店した「恵比寿えんどう」では、四季により移り変わる旬の魚を使った江戸前寿司を味わえる。「料理の域に踏み込まないことがモットー。食材同士の組み合わせでなくネタとシャリの直球の味わいを楽しんでほしい」と遠藤記史さん。「僕の中ではスペシャリティ」という鹿児島産の鰻は、冬から春までが最も脂がのっていて美味だとか。
住所/東京都渋谷区恵比寿南1-17-2 Rホール4F
TEL/03-6303-1152
営業時間/12:00〜、18:00〜or20:30〜(夜は二部制)
定休日/不定休
鮨 すが弥
「西麻布 鮨 真」、銀座「鮨 あらい」など名店で経験を積んだ菅谷崇之さんが、昨年末に自身の店「すが弥」を東麻布に構えた。「個人的に好きな白身魚は積極的に打ち出していきます。マグロも「やま幸」から仕入れており、独自の仕込みを味わって欲しい」と語る。この季節は、特にこだわりのある明石のヒラメを一品目に。おまかせは握り中心の構成。
住所/東京都港区東麻布1−29-15 東麻布296ビル1F
TEL/03-6230-9545
営業時間/19:00〜(一斉スタート)日曜のみ昼営業12:00〜(一斉スタート)
定休日/水・祝
Photo:Yufuko Uehara(鮨いしやま ), Shuichi Yamakawa Text:Nao Kadokami、Kensuke Yamamoto(鮨 すが弥) Special thanks:Naoyuki Honda Edit:Yuuka Shiomi