最旬! アタッシェ・ドゥ・プレスの鈴木純子が注目する、小規模複合施設のレストラン
食通のゲストセレクターを迎え、いま注目の“食の世界”をおすすめのレストランとともに紹介するフード連載。Vol.17は、ワインへの造詣が深いアタッシェ・ドゥ・プレスの鈴木純子が、サステナブルな協業スタイルで話題の新店をピックアップ。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年4月号掲載)
注目。サステナブルな協業スタイル
“食べる”ことが未来に対する一番身近な投票と考えるならば、末永くお付き合いができる、共感する造り手との出会いが大切、と考えます。魅せられ続ける自然派ワインは、テロワールを尊重し“その年の土地を搾ったような”味わいが身上。結果的に造り手の顔が見える個性となり、世界的な自然派ワインムーブメントになっているのではないでしょうか? 食の世界で注目しているのが、同じ志をもつ“他業種チーム”が創り上げる「小規模複合施設のレストラン」。 eatrip野村友里さんのもと、レストラン、バー&カフェ、グローサリーショップが集結した「ジャイル フード」は“循環”をテーマに、食材をシェアしコンポストする、サステナブルな協業スタイル。東東京エリア再開発スタートを彩る、飲食・宿泊の複合施設「K5」には、あの「Restaurant Kabi」2号店「Caveman」がオープン。「the GARDEN」は、ジョージア・オキーフの自邸をイメージしたオーガニックなインテリアに、紹介制ワインバー「HIBANA」永島農さんセレクトのワインショップやグリーンショップ、書房やリストランテが集結。 人と人とをつなぐ施設に、良き波紋が広がる予感で愉しみです。K5『Caveman』
2月1日、日本橋兜町にオープンしたマイクロ複合施設「K5」。1923年竣工の建築をコンクリート躯体はそのままに、内部だけ改修。ブティックホテルや飲食コンテンツがシームレスにキュレーションされた独自の施設で、注目は1階にあるレストラン「ケイヴマン」。目黒の人気店「Kabi」が手掛けており“ノーコンセプト”こそコンセプト(!)。無国籍で名前すらない唯一無二のコースを朝と夜、自由な気持ちで楽しんで。
住所/東京都中央区日本橋兜町3-5 K5 1F
TEL/03-5962-3485
営業時間/7:30~12:00、18:00~23:00(ワインバーは15:00〜23:30) 無休
https://k5-tokyo.com
GYRE.FOOD
“SHOP &THINK(世の中で起きていることを意識しながら暮らす)”とのテーマを掲げる「ジャイル」。ワンフロア・ワンコンセプトに基づき、“循環”を軸とする4階のレストランフロアにはオールデイダイニングやフレンチ、バーなどが集合。調理で出た使わない食材の部分を他店で有効活用し、生ごみのコンポスターを設置するなど食におけるサイクルをフロア内で重視。セントラルキッチンのある設計により店同士が地続きで、座席も利用スタイルも自由。都会の喧騒を逃れてゆったり食事したいときに。
住所/東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 4F
TEL/03-6803-8699
営業時間/11:00〜24:00(一部店舗により異なる) 不定休
https://gyre-omotesando.com
the GARDEN
ジョージアオ・キーフの庭園に着想を得た、小さな森のように緑溢れる優美な空間の「the GARDEN」。2フロアにわたる店内にはダイニングや自然派ワインのショップのほか、本屋、植物店、雑貨屋が集まる。館内にある2軒のダイニングで味わえる料理は「サバティーニ」「ダノイ」などで修業を積んだ武笠裕一シェフがレシピを監修。1階入ってすぐのトラットリアでは美しい緑や本に囲まれながら、イタリア郷土料理を楽しめる。地下1階にあるリストランテではイタリア郷土料理を洗練させた創作料理が揃う。
住所/東京都目黒区上目黒2-44-9 1F、B1
TEL/03-6452-4394
営業時間/11:30〜23:00 不定休(1Fトラットリア)、18:00 〜21:00 日・月・祝休(B1Fリストランテ)
https://thegardennakameguro.jp
Photo:Aya Kawachi(Caveman、GYRE.FOOD)Text:Nao Kadokami Edit:Yuuka Shiomi