落語家・春風亭ぴっかり☆がおすすめする純喫茶 | Numero TOKYO
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落語家・春風亭ぴっかり☆がおすすめする純喫茶

食通のゲストセレクターを迎え、いま注目の“食の世界”をおすすめのレストランとともに紹介するフード連載。Vol.14は、落語家の春風亭ぴっかり☆が癒しの純喫茶をピックアップ。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2019年12月号掲載)

創業当時からお店の看板デザートとして人気の「フルーツゼリー」(¥480)。コーヒーも捨てがたいもののこの日はあえて「ミルクセーキ」(¥720)を。リキュールで香りづけされたオトナ味。/ロージナ茶房
創業当時からお店の看板デザートとして人気の「フルーツゼリー」(¥480)。コーヒーも捨てがたいもののこの日はあえて「ミルクセーキ」(¥720)を。リキュールで香りづけされたオトナ味。/ロージナ茶房

落語と純喫茶と私。

純喫茶と落語はつくづく似ていると思う。純喫茶の純って何なんだ? ウィキペディアでは「酒類を扱わない、純粋な喫茶店」とある。コーヒー以外のメニューがまったくない店。木彫りの熊と、フランス人形の間に千羽鶴が飾られている店。初めての店なのに、親戚のおばさんの家に来たような感覚。どれもこれも、みーんな純喫茶なのだ。

しかし、そこで飲む一杯のコーヒーにどれだけ癒やされてきたことか。驚くほど居心地が良い。落語もそうだ。江戸の庶民の話をする人。人間すら出てこない動物が主役の話をする人。ただただ自分の面白いと思った漫談をする人。座布団一枚の宇宙とはよく言ったものだ。一体、落語とは何なんだ? 純喫茶と落語。どちらも奥が深すぎる。いやぁ、やめられない止まらない!!!

軽食に限らず、本格的な一品料理も充実。柔らかく煮込まれた牛肉がごろっと入った「ザイカレー」(¥980)。スパイシーなルゥにやみつき。
軽食に限らず、本格的な一品料理も充実。柔らかく煮込まれた牛肉がごろっと入った「ザイカレー」(¥980)。スパイシーなルゥにやみつき。

ロージナ茶房

国立駅から歩いてすぐ。2階建ての「ロージナ茶房」は、絵本に出てきそうな欧風喫茶店。半世紀以上前から地元の人々に愛されているのは、心和むレトロな空間もさることながら、ドリンクやフードが充実していて、なおかつどれも本格派だから。

香り高い「ブレンドコーヒー」(¥500)。
香り高い「ブレンドコーヒー」(¥500)。

バタートーストに卵料理などが付くモーニング(¥820。全3種類)は春風亭ぴっかり☆さんもお気に入り。また人気の「フルーツゼリー」にはぷるんと硬めのミルクゼリーや果物がどっさり。ゆっくり読書したり、ぼーっとしたり。どんなときも心地よく過ごせる、温かみのある空間も魅力。

路地裏に入った場所に店を構える。周辺の昭和の風情が漂う雰囲気も素敵。
路地裏に入った場所に店を構える。周辺の昭和の風情が漂う雰囲気も素敵。

住所/東京都国立市中1-9-42
TEL/042-575-4074
営業時間/9:00~22:45(食事 21:50、お茶 22:10 L.O.)
定休日/無休(1月1、2日のみ休)

「自家製特製ホットケーキ」(2枚¥600)。1枚でも注文可(¥350)。ただし、お客さんの大半は悩んだ末に、2枚を頼みぺろりと完食するそう。
「自家製特製ホットケーキ」(2枚¥600)。1枚でも注文可(¥350)。ただし、お客さんの大半は悩んだ末に、2枚を頼みぺろりと完食するそう。

珈琲家

上野の鈴本演芸場で寄席出演がある日は、ついこの店に立ち寄ってしまうという春風亭ぴっかり☆さん。扉を開けると、どこか懐かしい気持ちになる静かで安らぐ空間が広がる。銅板で焼いた「自家製特製ホットケーキ」は厚めの生地で、ふかっもちっとした食感が幸せ。サーブされたら熱々のうちにバターをのせ、大きな口で頰張って。豆のコクとキレを味わえる「特製ブレンド」(¥450)との相性も言うことなし。

時がゆったり流れる店内で、自分だけの時間に浸れる純喫茶。
時がゆったり流れる店内で、自分だけの時間に浸れる純喫茶。

住所/東京都台東区東上野2-10-2 第5政木ビル 1F
TEL/03-3836-4860
営業時間/8:00~19:00
定休日/土・日・祝

クロックムッシュとスープ(¥750。単品各¥480)。スープはコーンクリームかミネストローネから選んで。
クロックムッシュとスープ(¥750。単品各¥480)。スープはコーンクリームかミネストローネから選んで。

カフェ ドゥー

1972年創業の「カフェ ドゥー」のドゥーとは2を表す仏語deux。「長くパリで暮らした先代が“第2のパリを”とここを始めました。」(嵯峨雅芳さん)。春風亭ぴっかり☆さんの一押しは、バターがじゅわっと染み込んだクロックムッシュと温かなスープのセット。食後には4種の豆を配合した「ドゥーブレンド」(¥480)を。「ほっとできる空間で飲む一杯こそ至福」と話すマスターの哲学がにじむ空間では、身も心もゆるりとほどけていく。

マスターとお客さんが談笑する風景がこの店の日常。壁にはゴッホやピカソなどの複製画も。
マスターとお客さんが談笑する風景がこの店の日常。壁にはゴッホやピカソなどの複製画も。

住所/東京都品川区上大崎2-15-14 高木ビル1F
TEL/03-3444-6609
営業時間/9:00〜20:00(土・祝 13:00〜19:00)
定休日/日、第2・4土

ゲストセレクターがおすすめするフード&レストランの一覧はこちら

Photos : Aya Kawachi Text : Nao Kadokami Edit : Yuuka Shiomi

Profile

春風亭ぴっかり☆しゅんぷうてい・ぴっかり☆ 落語家。「NHK新人落語大賞」では二度にわたって決勝に進出。上手い、可愛い、華がある〜と、三拍子そろった「寄席のプリンセス」。女優、ラジオパーソナリティーとしても活動。くわしいスケジュールは pikkari.club へ。

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