「写真を撮ることの結論がでちゃいました」写真家・操上和美×永瀬正敏 対談 vol.3 | Numero TOKYO - Part 2
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「写真を撮ることの結論がでちゃいました」写真家・操上和美×永瀬正敏 対談 vol.3

うまい写真ではなくて、いい写真を撮る意識
N:向き合い方とか、間合いですよね。あの撮られている時の迫ってくるような距離感は、男としてもぐっとくるものがあります。僕も人間に惹かれます。21世紀になってからずっと、出会った人シリーズというのを撮っていたり。人って年月とともに変化するから、後から見返すとぐっときたりする。その場では何も考えずに撮っているんですけど、こいつとも会ってたんだなとか、昔はこうだったなぁ~これがあっての今なんだな、とか、、、感慨深い。僕のデビュー作を撮ってくれた相米慎二という監督がいたんですが2001年に亡くなって。相米さんの最期の写真もあったりして、ぐっときたり。これってただの記録写真なんだけど、いいなって。
K:やっぱり写真っていいですよね。人はみんな変わっていきますから、それがいいんです。どちらかというと、撮る時ってそこまで考えられないでしょう。すてきだと思ってシャッターを切るときってほんの一瞬。いつも同じように撮ると意外とだめで、飽きちゃいますよね。いろんな人の光があれば、それだけでいい写真ができる。そしてその瞬間を待っている間のドキドキ感は、他では味わうことが出来ないもの。もの凄くドキドキしながら、生きている人達から放たれる光とセッションする。それができるのは写真だけなんだよね。
N:思えば、僕が操上さんを最初に撮らせて頂いたときもそんな感じでした。そこにいる操上さんが、格好よすぎて、操上さんの放つ背景が素敵だったから撮ってしまった。気づいたら、シャッターを押していた。確か、どこかの楽屋だったと思います。『ゼラチンシルバー LOVE』の撮影中、監督なさっている姿は絵になっていたので、ついつい撮っちゃっていましたね。今でも持っていますが、すごい量です。
Photo:IMPOSSIBLE Styling:Yasuhiro Watanabe(FEMME)Interview: Hisako Motoo Edit:Maki Saito Text:Yukiko Ito

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