Culture / Post
「フィルムに惹かれるのには理由がある」写真家・操上和美×永瀬正敏 対談 vol.2
昨年、ギャラリーImpossible Project Spaceにて展覧会「a trip in death at my house 私の家の死を彷徨う旅」を開催した写真家、操上和美。操上氏の初監督作品映画『gelatin silver love』(2008)で主演をつとめ、自身も写真家としての道を進み始めた俳優、永瀬正敏。2人が熱い写真談義を交わしたスペシャル対談を全3回に分けてレポート。第二回目は、デジタル化が進む時代と、フィルムで撮影する写真の魅力に迫る。
デジタル化が進む時代、フィルムの魅力
N:操上さんが写真を撮ってらっしゃる姿を女性が見たら、惚れますよ。めちゃくちゃかっこいい。うちのおやじと同い年だというのが信じられない。筋肉隆々でかまえられると、女性だったら絶対に惚れてしまいますし、男性もカメラを向けられたら、この人に撮られたら絶対にかっこいい写真があがってくるに決まってると思うんですよね。
K:写真は格好で撮るものではないですよ。写真だけは、格好でもカメラでもなく、心で撮るもの。
N:それは勿論そうですね。操上さんは、その心が撮っている姿が肉体や空気感を通して表に表れているからこそかっこいいんです。しかもそれが被写体に伝わるからすごいなと。
K:格好いいと言って頂いた撮っているときの形、これは格好つけてやっているんじゃなくて、ぶれないようにですね。走っても、角度を変えてもぶれないように。自分の体を三脚にして、クレーンとして動くような感覚。本能的にやっていくうちに、いつの間にかこういうスタイルが出来上がっていた。医学的に言うと、マッサージの先生には体がどんどん歪んで行ってだめだと言われていますよ(笑)撮っているうちに定着していきましたが、これはフィルム特有ですね。デジタルカメラだとちょっと違う。撮るたびに画面を見なきゃいけないからね。写真をチェックするために。
N:今はデジタルカメラが主流ですよね。毎日かあさんという映画で、撮影中いつもこどもたちの写真を撮っていたんです。初日、こどもたちに向かってシャッターを切ってたら寄ってきて、今撮ったの見せてっていわれましたからね。“ごめん、お父さんのカメラ安いから画面には写らないんだよ”とふざけて言ったら、“買ってあげようか”なんて言われて(笑)。そういう時代ですからね。
操上和美:すべて本人私物
永瀬正敏:プルオーバー¥37,800/UNDERCOVERISM( UNDERCOVERISM/03-5778-4805) ベスト¥82,950、パンツ¥87,150、ブーツ¥141,750/すべてANN DEMEULEMEESTER, ネックレス¥29,400/TAKAHIROMIYASHITATheSoloIst., バングル(右)¥124,950、(左)¥135,450/ともにCody Sanderson for TAKAHIROMIYASHITATheSoloIst.(すべてPred PR/03-5428-6484)
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Photo:IMPOSSIBLE Styling:Yasuhiro Watanabe(FEMME)Interview: Hisako Motoo Edit:Maki Saito Text:Yukiko Ito