Culture / Feature
アーティストが改めて考える“家族” vol.3 松岡一哲
急激な変化を余儀なくされたいま、あらためて日常とはなんと愛おしいものだろう。写真で表現するアーティストたちにとっての、家族のつながりとは。妻を撮影した写真集『マリイ』が話題の、松岡一哲の場合。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年10月号より抜粋)
思っていた以上に、よっぽど大切なこと
妻マリイの日常の姿を捉えた504枚にも及ぶ写真が掲載された写真集『マリイ』を2年前に作り上げた松岡。何げないふとした瞬間を捉えた写真を眺めていると、温かみのある「愛」の波動が伝わってきて、こちらまで優しい気持ちになる。 「家族がどんな存在なのかを考えることはあまりないですが、妻とは20年以上一緒にいるので、もの凄く大切だし、お互い頼りにしています。一人で生きているんじゃないと自然に感じさせてくれるんです」。とはいえ、妻の写真を一冊にまとめようなどとは思っていなかったことから、写真集の話をもらったときは思わず固まってしまったそうだ。Interview & Text:Kana Yoshioka Edit:Mariko Kimbara
Profile
松岡一哲Ittestu Matsuoka
1978年生まれ。雑誌や広告などで活躍するかたわら、2008年よりテルメギャラリーを運営。18年に写真集『マリイ』をリリース。今年10月よりタカ・イシイギャラリー フォトグラフィーにて展示開催予定。