“奈良”をまるごと味わえるフレンチレストラン「シエル エ ソル」 | Numero TOKYO
Life / Food

“奈良”をまるごと味わえるフレンチレストラン「シエル エ ソル」

今月のディッシュvol.93は「地方発アンテナレストラン」をテーマに、おすすめの3軒をご紹介。

地方食材の素晴らしさをダイレクトに味わえるアンテナショップは、各地方の素材や人材を発掘し、全国に発信する場所としても注目される。近年、後継者不足問題などにより、よい食材や食文化が人知れず消えていくなか、著名シェフやソムリエとのコラボなど、東京に発信地として人気スポットが続々誕生している。

#106_dish01
#106_dish01

奈良の食材を取り入れた
ミシュラン一ツ星のフレンチレストラン「シエル エ ソル」

故郷や旅したところなど、思い入れのある地域の味に出合えるのは、とても楽しい。そんな思いをかなえてくれるのが、地方自治体発のレストラン。最近、有名料理人やソムリエとコラボレートし、レストランとしての感度を高めているお店が増えてきた。

奈良県発の「シエル エ ソル」は、昨年1月にオープン。地元食材を大切にしてきた栃木県の名店「オトワレストラン」の音羽和紀さんがプロデュース、次男の創さんが料理長を務める。土地の食材を大切にするという心構えが共通とはいえ、奈良に縁のなかった創さんが、彼の地を表現するのは大変だったに違いない。オープン早々に伺ったときは、「奈良の食材を使ったフレンチ」といった印象だった。ところが1年後。この土地ならではの味わいがお皿の上で息づいていた。例えば写真の料理。あまごは低温でしっとり仕上げ、奈良の伝統野菜「大和まな」と、創業260年の老舗醸造元「嶋田味噌」の茜八白味噌のピュレでコーティング。柿酢ドレッシングであえた野菜が添えられる。「奈良らしさとは何か。試行錯誤ばかりですが、フレンチにも土地の醤油や味噌を使ってみようと。そうしたら食材の微妙な味わいが生きてきました」。料理人のオリジナリティーが食材を際立たせ、東京にいながら「奈良」を丸ごと味わえる。「ミシュランガイド東京2017」で一ツ星を獲得したのも納得。旅気分で通ってみてはいかが?

#106_dish02
#106_dish02

シエル エ ソル
住所/東京都港区白金台5-17-10
TEL/03-6721-7110
営業時間/12;00〜13:30(L.O.)、18:00〜20:30(L.O.)
定休日/月・火のランチ
URL/tokinomori-nara.jp

Photo...:Masahiro Goda
Text:Mika Kitamura
Edit:Yuuka Shiomi

Magazine

JANUARY / FEBRUARY 2025 N°183

2024.11.28 発売

Future Vision

25年未来予報

オンライン書店で購入する