パーティなし!シックスセンシズ・イビザでリトリートの旅【ダージリン コズエが行く、人生最高の旅】 | Numero TOKYO
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パーティなし!シックスセンシズ・イビザでリトリートの旅【ダージリン コズエが行く、人生最高の旅】

旅のプロ、ダージリン コズエによる連載。世界中のあらゆるデスティネーションを行き尽くし、現在も国内外問わず旅に赴く玄人トラベラーが語る、“人生最高の旅”。

長年、色んなところを旅していますが、旅のデスティネーションを決めるときの目的はだいたい4つで、「地球の素晴らしさを感じられる大自然」、「知的好奇心をくすぐるような文化・歴史的な場所」、「疲れを癒すリトリート」、「家族や友達に会いに行く」のどれかです。

逆に避けているのが、パーティアイランドと、観光客でごった返している場所。そのため、ヨーロッパで大人気のパーティアイランド、イビザ島は一生行くことはないだろうと、思っておりました。ところが、パリから行ける近場のリトリート先を探していたら、Six Senses がイビザにあるではないですか!

実は私、Six Sensesはブランドの初期からファンで、「サステナブル、ウェルネス、そしてラグジュアリー」をキーとしたホテルリゾートがまだ一般的でなかった頃からのSix Sensesの大ファン。タイにあるSix Senses Yao Noiをはじめアジアの数々のSix Sensesをプライベートで訪れております。パリへ引っ越す時もThe Six Senses Spa Bookを持ってきて部屋に飾っているほどです。

なのに、お隣のスペイン、イビザ島にあるにも関わらずノーマークで猛省。

しかし、世界中のパーティラバーが集まるイビザにSix Senses? と不思議に思い、島の歴史を色々と調べたら、イビザって古くはフェニキア人の貿易の拠点であり、長い時を経て1960〜70年代にはアーティストやヒッピー、ミュージシャンたちが自由を求めてやってきた島なんですね。その後、クラブカルチャーが発達し、のちに現代のEDMの聖地となり、世界中からトップDJなどがやってくるパーティアイランドへと変貌してきたようです。

ということで、今回は「疲れを癒すリトリート」を目的とし、パーティとは無縁のSix Senses Ibizaへ行っていきました。イビザの空港からタクシーで40分。ホテルがある島の北部は手付かずの大自然が残っており、パーティのイメージとは全く異なる雰囲気が漂っています。

今回、ステイしたのは、Sea View Junior Suite。ヨーロッパが連休にも関わらず出発2週間前のギリギリで予約したので、高い部屋しか空いていなかったのですが、ちょうど誕生日だったこともあり、「えいや!」とIHGのサイトから予約しました(現在シックスセンシズはIHG Hotels & Resorts)。

決して安くなかったのですが、納得の広さと眺め。

あいにく滞在期間中天気があまり良くなく、やや寒かったのですが、そういう時こそ、部屋の快適さが身に沁みます。

77平米のお部屋には広いベッドルームとリビングエリア、巨大なバスルーム、そして海を眺められるバルコニーがついています。

個人的には、タイのSix Senses Yao Noi(ヤオノイ)などワイルドな大自然ギリギリまで攻めたSix Sensesが大好きではありますが、イビザはより今っぽく洗練され、地中海らしいシックなリゾート感があり、これもいいなと。

で、今回の旅の目的であるリトリート。大切にしているのが、ゆっくり過ごすのはもちろんですが、体を適度に動かし、体にいいものを食べ、よく寝ること。

Six Sensesなどウェルネス系のリゾートの好きなところは、ヨガやピラティス、エクササイズ系のプログラムなどが滞在費用に日替わりとして含まれており、多少の追加料金で他にも豊富なアクティビティを楽しめることです。

イビザという場所柄からか、スピリチュアル系のプログラムも豊富にあります。
スパが入っている建物の上には、こんなローズクォーツも。

スパエリアには、有料のスパトリートメントのほか、宿泊者が無料で使うことができるドライサウナ、ミストサウナ、大きなジャクジーなどもあり、のんびーりと過ごすことができます。

私はフランスへ引っ越してからというもの大好きなSUPがほとんどできていないので、今回SUPツアーを別途申し込み、ホテル周辺の洞窟などを探検へ。

今までタヒチ沖縄の座間味西表島で散々SUPやシュノーケリングをしてくると、熱帯魚や珊瑚礁が当たり前になっちゃいますが、ここはヨーロッパ。カラフルな珊瑚礁や熱帯魚は不在ですが、代わりに楽しめるのが、岩場と崖、そして風や波によって抉られて作られた洞窟です。

光の入り方によって、洞窟内の水が青く見えたり、緑に見えたりという場所って、地中海では比較的よく見られるのですが、しかもSUPでそのまま洞窟へ入り込んで洞窟の中を探検したり、洞窟の中から青い海水の色を見るのは、何度体験しても感動してしまいます(潮の流れ、風の流れなどあるので土地勘ない人は必ずガイドさんつけてくださいね)。久々のSUPも嬉しかったのですが、荒々しい自然が創り出した岩肌の造形美は、ヨーロッパの島でやるSUPの楽しみです。

さて、適度な運動の次に、体にいいものを食べるということなんですが、Six Sensesはどこも自家菜園を持っていて、そこで採れたものを食事の一部として提供しています(地域により採れ高は異なります)。通常、敷地内にあるんですが、イビザは車で20分くらい行ったところにあるオーガニック農園、カン・タンカで育った新鮮な食材を使用し、またできるだけ近隣で採れたシーフードやお肉などを使用しているようです。

これは個人的な趣味なんですが、毎回Six Sensesに泊まるたびにそこの自家菜園へいくというのが好きで、今回もカン・タンカへ。

かわいいファームハウスを囲んで、食用にも利用できるお花や、ズッキーニ、ネギ、ガーリック、ルバーブ、ビーツ、トマトなどが栽培されており、季節により栽培されるものも収穫されるものも変わってきます。ズッキーニももちろん花付き。ズッキーニの花、中にチーズ入れてフライにして食べると美味しいんですよね。

イビザ生まれ、イビザ育ちのビアトリスさんの案内でファームをまわりながら、とれたてのビーツなども試食。みずみずしさ、そして甘さが半端なく幸せ。

ファームの近くには、養蜂用のボックスもあり、ここで採れたハチミツが朝食へとやってくるのです。朝食のビュッフェにも蜂蜜が何種類もあり、大の蜂蜜好きとしては、少しずつ試し、スプリングハニーがなかなか気に入りました。

また、ファームには植物の種を保管しているシードバンクがあり、我々が普段何気なく食べている食べ物自体がこれら種によって生まれてくるかと思うと、種の大切さ、そして育てていく過程の手間や愛情を含めた素晴らしさを痛感しました。

ここへはツアーのほかeBikeなどでも訪れることができるようなので、ホテルに相談してみるといいかもしれません。

ちょっとシックスセンシズへの愛が強めなので、今日はこのあたりにし、次回はホテルのスピリチュアルプログラムでのイビザらしい不思議な体験をご紹介したいと思います。

 

ダージリン コズエが行く、人生最高の旅

 

Photos & Text:Darjeeling Kozue

Profile

ダージリン コズエ Darjeeling Kozue 20代で世界一周の旅を経験し、30代で世界中のブティックホテルやデザインホテル、ラグジュアリーリゾートなどを巡ってきた旅のエキスパート。海外旅行のガイドブックや雑誌などの編集経験もあり。本業は、外資系企業でジェネラル マネージャーを務めている。Instagram: @cozykozue
 

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