幸せを学ぼう! 科学編ハッピーになるためのキーワードを解説 | Numero TOKYO - Part 5
Culture / Post

幸せを学ぼう! 科学編
ハッピーになるためのキーワードを解説

幸せの形が多様化するなか、どうやったら最大限ハッピーを享受できるのか? 科学、経済、言語、女性学…各分野の豪華講師陣がハッピーになるためのキーワードを伝授。(「ヌメロ・トウキョウ」2017年3月号掲載)

Section 5
人生100年!
そう思えば時間はもっとゆるやかになる

100歳まで生きるという時代に入ってきています。ということは学ぶ期間が伸びているということでもあります。人生70~80年だった時代は、「学んで、働いて、休む」という3つのステージを生きればよかったわけで、終身雇用という制度の下で人生を終えることができたのです。だからこそ「早く就職先を見つけないと」という考えができてしまったんですね。しかし、人生を100歳までとすると、肉体的に元気なのは20代、そして、社会的に元気なのは50前後。50歳まではある意味、修行期間で、色々と自分の枠を広げる時期になっています。そして、精神的には、歳をとればとるほど多幸感に溢れてきます(図参照)。

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横軸に「年齢」、縦軸に「肉体的・社会的・精神的な元気度」を示すと、肉体的には20代が、社会的には50歳がピーク。年を重ねるごとに幸福度は増していく。

10代や20代で起業するような子や、インスタから出てきた子たちは、スキルの幅が狭いときにスター化されてしまう。好きで得意なことを集中してやった人は、若くして輝きやすいですよね。ただ、そういった人たちは一つのことをやりすぎるので、長い人生で見ると、途中で失速しやすいかも知れません。なんといっても人生は長い。まずは好きなものを5つぐらい見つけてはどうでしょうか。そして、それらを学ぶには時間がかかるんだということがわかれば、まずは何でもいいから「ちょっとやろう」となると思います。働いたり、学んだり、遊んだりということを、自分でバランスよくやることで、人としての器をどんどん広げていく。その結果、50歳からようやく本気を出せばいいのではないかと。20代で好きなことが見つからないとか、30~40代になってもまだ見つけられないといっても、それはまだ学びの期間なのだから、不幸を感じる必要はないんです。

21世紀型の進化って?

Illustration:Walnut
Interview & Edit:Sayumi Gunji
Text & Edit:Etsuko Soeda

Profile

石川善樹(Yoshiki Ishikawa) 1981年生まれ。東京大学医学部健康科学・看護学科卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学にて博士号(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究に従事。予防医学、行動科学、機械創造学などを専門分野とし、雑誌、テレビ、講演などにも多数出演する。(Photo:Ayako Masunaga)

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