栗野宏文、田中知之(FPM)、まつゆう*が選ぶ 心に響くバイオグラフィー映画 | Numero TOKYO - Part 2
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栗野宏文、田中知之(FPM)、まつゆう*が選ぶ 心に響くバイオグラフィー映画

栗野宏文
栗野宏文
本人映像ドキュメンタリー 俳優が演じた再現映画
本人映像ドキュメンタリー 俳優が演じた再現映画
『映画と恋とウディ・アレン』
『映画と恋とウディ・アレン』

全国順次公開中 配給:ロングライド

© 2011 B Plus Productions,LLC. All rights reserved.
『映画と恋とウディ・アレン』
『映画と恋とウディ・アレン』

ウディ・アレンの映画は1970年代から見ていますが、特に最近は古典落語のように、似たようなテーマを扱っても作品ごとに円熟味が増していると思います。彼がなぜこんなに作品を撮り続けられるのか、それはこの映画でも触れられているのですが、監督としてのフィーが少ないからなんですね。「面白い映画を作るためには製作費にお金をかける」のが彼のポリシーで、これは映画作家としての良心であると同時に、ビジネスマンとしても正しいと思っています。なぜなら、観客にとってはクオリティが一番なので。シンプルな考え方だけど本質を突いていて、非常に感動しました。彼も今年で77歳、僕より大人の男性として、社会人の先輩として見習いたい存在ですね。

脚本家、監督、短編作家、俳優、コメディアン、ミュージシャンなど、さまざまな顔を持つ多才なウディ・アレン。その哲学や人生観を、本人へのインタビューやダイアン・キートン、スカーレット・ヨハンソンほか彼の作品に出演したミューズの証言などから読み解いていく。

『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』
『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』
『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』
『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』

1975年にロンドンのラジオで「No Woman, No Cry」を聴いて以来、ボブ・マーリーはとても好きで尊敬しています。79年の彼の最初で最後のジャパンツアーの時には、ライヴも見ています。彼は音楽家であるだけでなく、平和を愛する活動家でした。ジャマイカ出身で全世界に影響を与えている、第三世界が生んだ初のスーパースターですよね。ボブの伝記モノはほかにも見ているけれど、この作品はジャマイカの政治状況などもかなり突っ込んで取材をしていて、彼が世界を動かしたことがちゃんと描かれているんです。音楽を通してボブが表現していたことは、あまりにも深くて大きい。この映画を観て音楽が好きでよかったな、としみじみ思いました。

レゲエを世界的に広め、音楽で世界を変えた偉大なミュージシャン、ボブ・マーリーの生涯を、未発表音源や未公開映像とともに綴った144分。本作はジャマイカ独立から50周年となる2012年、ボブ・マーリー財団初のオフィシャルドキュメンタリーとして完成。

DVD ¥4,935

発売・販売元:角川書店
『サイン・シャネル  カール・ラガーフェルドのアトリエ』
『サイン・シャネル カール・ラガーフェルドのアトリエ』
『サイン・シャネル  カール・ラガーフェルドのアトリエ』
『サイン・シャネル カール・ラガーフェルドのアトリエ』

もともと芸談や職人が自分の技について語ったものを見聞きするのが好きだったのですが、この作品で描かれるシャネルのアトリエに勤めるお針子さんたちのものづくりについても、それに近いですね。ものづくりの背景、オートクチュールのすごさ、そして“大帝”カール・ラガーフェルドがいかに勝手な人(笑)なのかがよくわかる。彼は司令塔というか、全てを率いてひとつのゴールに向かわせるデザイナーで、周囲を納得させるだけの実力があるんでしょうね。たとえコレクション直前に度重なるデザイン変更があったとしても、結果はもっと良くなる、と職人たちみんなが信じているし。僕も仕事においては、職人的な完成度を求める人でありたいと常に思っています。

シャネルのオートクチュール・コレクションの裏側に迫るドキュメンタリー。仕事にプライドを持ち、ユーモアも忘れないお針子や職人たち、そして彼らをまとめる“モードの帝王”カール・ラガーフェルド、アトリエの日常から老舗メゾンの底力を再確認できる一本。

DVD ¥4,410

発売元:WOWOW / 販売元:日本コロムビア
栗野宏文(くりの・ひろふみ)
栗野宏文(くりの・ひろふみ)
栗野宏文(くりの・ひろふみ) 1953年生まれ。ユナイテッドアローズのクリエイティブ・ディレクション担当上級顧問としてUA全体のディレクションを行う。2004年、英国のRoyal College of ArtよりHonorable Fellow(名誉研究員)を授与される。近年はHapi Kurino名義でDJとしても活躍中。
Interview & text : Misho Matsue
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