これはシーズンど真ん中の4月に沖縄に行ったにも関わらず
連日雨風と戦った女の物語である。
―――4月下旬。
わたしはひとり沖縄に降り立った。
友人に会うためだ。
天気は曇り。
飛行機から出た瞬間、ジメジメとした空気が肌にまとわりついた。
久しぶりに会った友人は思ったよりお腹が目立たない。
その時彼女は妊娠7ヵ月だったのだ。
ふたりでまったり曇り空の下、海が見える漁港でまぐろ丼(500円)を食べた。
発砲スチロールのお弁当用の容器に入っていてもこの高級感のあるまぐろ丼が!!
500円!たったの500円です!
しかも「今連れて帰ってきたんでしょうね」というほど新鮮で、噛み応えがある。さらにボリューム満点!
母なる海を見ながら、まぐろを食べる。
なんて贅沢なんだ……!
こうやって、曇りながらも太陽を感じながら
過ごせると思っていたんだ。
あのときは――――
夜は地元で人気のママさんがやっているお店に連れていってもらった。
ラフテーがおいしいと聞いていたが、既に売り切れてしまったそう。
ごめんね、違うの持ってくるから!といって、ママさんのチョイスで次々料理がやってくる。
バラ肉とお野菜のやさしい味した煮物。
ポテトサラダ。
お刺身。
ママさん特製のぱりぱり餃子。
グルクンと呼ばれるお魚のから揚げ。
麩のチャンプルー。
どれもすごくおいしい。
「田舎から上京して10年。仕事が忙しくてなかなか実家に帰れていない。母ちゃん、元気かな…。」って状態のサラリーマンが食べたら
泣いちゃうようなやさしい味です。
餃子も最初は「沖縄初日に餃子かー」って思ったけど、
食べてみたら具がしゃくしゃくしててキャベツが甘くてパリパリしてておいしいんだぁ…。
もう沖縄行ったら餃子だよ…(洗脳)
東京で育ったけど、今は沖縄のママとして大人気のママさん。
こんなはじめてなのに「ただいま」って言いたくなる感じのいい料理屋さんがいっぱいあるところも、沖縄の魅力!
自分にとって特別な場所を見つけてみるのもたのしいかも?
つづく