Numero TOKYOおすすめの2018年5月の本 | Numero TOKYO
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Numero TOKYOおすすめの2018年5月の本

あまたある新刊本の中から、ヌメロ・トウキョウがとっておきの3冊をご紹介。

『問題だらけの女性たち』 著者/ジャッキー・フレミング 訳者/松田青子 価格/¥1,200 発行/河出書房新社 19世紀の女性蔑視を笑いのめす極上ユーモア 19世紀の女性たちを「家庭の玉」に閉じ込めた、当時の固定観念や男性偉人による疑似科学のごとき発言を、皮肉とユーモアたっぷりで解説するジェンダー絵本。フェミニスト漫画家を自称する著者の機略と知略は、現代を生きる私たちにも勇気を与えてくれる。

『地球にちりばめられて』
著者/多和田葉子
価格/¥1,700
発行/講談社

言語が交錯する、楽しい企みを秘めた越境譚

留学中に故郷の島国が消滅し、生き抜くために独自の言語を生み出す女性。同じ母語を話す者を捜し求める彼女の旅を、多国籍な同行者の視点を交えながら描いた本作。あらゆる境界を越えて人をつなぐ言葉の可能性に満ちた、誰もが移民になりえる時代の世界文学。

『湖畔の愛』
著者/町田康
価格/¥1,500
発行/新潮社

天変地異をも巻き起こす、突き抜けた愛と笑い

龍神が棲むといわれる九界湖。その高台にあるホテルに集う人々の悲喜こもごもを、新喜劇的な笑いと共に綴った連作集。非日常的な状況の中で露呈していく人々の本性と、その滑稽さが導く人としての道理。理性をも軽く超越する「笑い」の底力に触れられる一冊。

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Text:Miki Hayashi Edit:Sayaka Ito

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MAY 2024 N°176

2024.3.28 発売

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