グッチ並木 1周年に突如現れた、四代田辺竹雲斎の究極エコな芸術作品 | Numero TOKYO
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グッチ並木 1周年に突如現れた、四代田辺竹雲斎の究極エコな芸術作品

グッチ並木がオープン1周年を迎えます。それを記念して竹で作品を生み出す四代田辺竹雲斎氏の作品が店内を埋め尽くしています。田辺竹雲斎氏とは、グッチがブランド創設100年を迎えた2021年夏に京都にて開催された体験型エキシビション「グッチバンブーハウス」でも素晴らしい作品がお披露目されました。

そのときの様子がこちらです。

今回は、それに続く第二弾となります。

店内を埋め尽くす竹の数は実に5000本。

それらがショップ内の螺旋階段に巻きつき天井目掛けてうねり上がっていて、まるで生き物のような迫力です。

 

グッチ並木が1周年ということもあり伝統と歴史に裏付けされた“新しい一歩”を表現すべく、アートとファッションと自然の融合をテーマに、三本の丈がひとつのうねりと化し、未来の想像に繋がるように「未来への歓喜」を形にしたそうです。

わお!

作品は、高知県からきた黒竹と大分県からきた真竹5000本のみで編まれ、竹以外には何も使用されていません。構造は、竹のしなりを生かして有機的かつ立体的な曲線を作り出しながら編んでいきます。展示が終わればすべて解きほどかれ、竹ヒゴの状態に戻し次の場所へと移動して新たな作品となるそうです。

アート作品を作ったり運んだりする際に生まれるゴミや廃棄物が一切ない、というエコな作品も特徴のひとつなので、まさに循環型作品といえます。

ちなみに作品を重ねる毎に1割の竹ヒゴが劣化し、しなりを失いポキンと折れてしまうそうです。残りの9割に新しい1割の竹ヒゴを加えて新しい作品へと生まれ変わるので、まるで人の新陳代謝のようです。

劣化した1割の竹ヒゴは「世界を旅した竹」と名付けられ、来場したお客様に無料で配布されるそうです。お家に持ち帰って改めて作品を思う、という素敵なストーリーですよね。

グッチ並木の3階には、細い竹ヒゴで編まれた繊細な作品も飾られています。また、竹林で竹を選び作品になるまでの行程も動画で流れています。

 

まだ四代田辺竹雲斎氏の作品を実際に見たことがない人は、ぜひこの機会にお運びください。

間近で見ると本当に鳥肌ものなので!!

グッチ並木
住所/東京都中央区銀座6-6-12

Profile

田中杏子Ako Tanaka 編集長。ミラノに渡りファッションを学んだ後、雑誌や広告に携わる。帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などで編集、スタイリングに従事し『VOGUE JAPAN』の創刊メンバーとしてプロジェクトの立ち上げに参加。紙面でのスタイリングのほか広告キャンペーンのファッション・ディレクター、TV番組への出演など活動の幅を広げる。2005年『Numéro TOKYO』編集長に就任。著書に『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)がある。
Twitter: @akotanaka Instagram: @akoakotanaka

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