Art / Editor’s Post

⽥島⼀成、第二弾「WITHERED FLOWERS BLACK」展で魅せる、モノクロームの新境地へぜひ

「WITHERED FLOWERS BLACK」より ©Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 
「WITHERED FLOWERS BLACK」より ©Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 

ファッション、音楽、また広告業界でも幅広く活躍する写真家 田島一成(TAJJIEMAX)の個展、枯れて朽ち果てていく花々をとらえた「WITHERED FLOWERS BLACK」が、2022年1月13日より開催されます。

昨年、話題となった「WITHERED FLOWERS」も、被写体となる花々に“もののあはれ”を投影し“無常の美”に魅了されていました。今回はさらにそれをモノクロームの世界で表現するといった新境地に挑んでいます。

枯れた花々を儚くも美しくとらえた前作から、なぜモノクロームに挑戦したのか。以下、田島本人の言葉を紐解くと、モノクロームの世界の特別な意味が浮き彫りに。

「モノクロ写真は特殊だ。写真の歴史は、モノクロ写真で始まったが本来我々が⽬で⾒ているのはカラー像であり、裸眼でモノクロ像を⾒ることはない。かなり特異な世界だ。もしも最初からフィルムがカラーだったらモノクロ映像というものは世の中に⽣まれなかったのかもしれない。それでも我々写真家はそんなモノクロの魔⼒に魅せられる。そのシンプルでモダンでシャープなイメージに。枯れた花の持つたたずまい、皺のよった⽪膚のような質感、ムード、その美しさの細かなディテールを⾃分流に表現したくて、7年間花が枯れるのを待っては撮影を続けている。何故⼈は花に惹かれるのだろうか。その美しい造形や⾊彩は、花が⼈間を魅了して利⽤する為なのだろうか。ーー田島一成」

 ©Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 
 ©Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 
田島は前回の個展の際に、届いた祝花を展示期間の2ヶ月間飾り続け、実際に枯れていく花々と枯れた花の写真を重ね、展示スペース全体を「WITHERED FLOWERS」の世界観で埋め尽くしていました。展示が終了した最終日にその枯れた祝い花を持ち帰り、モノクローム撮影がスタートし今回の作品に仕上がったというから、まるで時空をも繋げているようです。

重要なエレメントの一つ「色彩」をなくしたモノクロームの花々は、黒と白の濃淡と造形、質感がさらに際立ち、すべてが光の表現につながっていくようです。

 ©Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 
 ©Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 
「カラー画像として美しく⾒える花の写真を単純にモノクロ化しても、カラーより美しく⾒せることは難しい。花の持つ美しい⾊彩が全く使えないからだ。モノクロ像には⽩から⿊までの階調しかない。それはシンプルに光の表現だ。今回はモノクロ像の⽅がカラー像よりも魅⼒的に⾒えるように⼊念にライティングを⼯夫しながら撮影した。カラーの花の写真に⽐べてより写真的な表現に、つまり“花”を表現するつもりが“写真”を表現する作品になったのかもしれない。ーー田島一成」
 

 ©Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 
 ©Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 
私たちが“もの”を目にし理解をする際の重要なエレメントのひとつ「色彩」を消し去ることで、前作の「WITHERED FLOWERS」以上に、光と闇、明暗、美醜すらも映し出されているかのようです。枯れていく花々に、畏怖の念すら感じさせられます。「WITHERED FLOWERS BLACK」へぜひお運びください。

「WITHERED FLOWERS BLACK」
作家:⽥島 ⼀成/Kazunali Tajima 
会期:2022年1⽉13⽇(⽊)− 2⽉26⽇(⼟) 
      ⽊曜〜⼟曜 11:00‒13:00, 14:00‒19:00  ⽇曜〜⽔曜、祝⽇休廊 
会場 :Akio Nagasawa Gallery Aoyama 
       〒107-0062 東京都港区南⻘⼭5-12-3 Noirビル2F TEL:03-6427-9611 
※新型コロナウイルスに関する状況により、会期や内容を変更する可能性があります。 

Profile

田中杏子Ako Tanaka 編集長。ミラノに渡りファッションを学んだ後、雑誌や広告に携わる。帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などで編集、スタイリングに従事し『VOGUE JAPAN』の創刊メンバーとしてプロジェクトの立ち上げに参加。紙面でのスタイリングのほか広告キャンペーンのファッション・ディレクター、TV番組への出演など活動の幅を広げる。2005年『Numéro TOKYO』編集長に就任。著書に『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)がある。

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