
欲望やファンタジー、文学、クィアアイデンティティといったテーマを探求し続ける現代アーティスト、ヘルナン・バスによる、日本では8年ぶりとなる個展が開催。東京・六本木のペロタン東京にて、2026年11月11日(水)まで。
現代アーティストのヘルナン・バスは、1978年、アメリカ・マイアミ生まれ。19世紀末のデカダン派の芸術や文学、フランスの画家グループ「ナビ派」の絵画に影響を受け、鮮やかな色彩と緻密な描写が印象的な具象絵画を描いてきた。そんなバスの作品に登場するのは、中性的な“ダンディー”のイメージをまとった青年たちだ。思春期と成人期のあいだにある、もろく不安定な時期を過ごす彼らを、バスは「fag limbo(ファグ・リンボ)」と呼び、夢想的な世界に描き出している。

本展「TIME TO SHINE! (the salesmen)」では、そんなfag limboの若者たちをセールスマンとして描いたシリーズを展開する。ファーマーズマーケットの店じまい直前にしおれた花を売る『The prodigal son (farmers market, 3:30 pm)』や、海辺で貝殻を売る『He sells seashells by the seashore』のほか、『Rust & Receipts』では、セールスマンが別のセールスマンに電話をかけ、自分のナイフを研いでもらおうとしているようだ。
そして、横幅約5.5メートルの大型作品『All you ever wanted to know about 5B』では、ヤードセールの光景が画面いっぱいに広がり、古着や雑貨が雑然と並ぶなか、陳列されたかのように中央に立つセールスマンが、売る側と売られる側の境界を溶かしていく。

「TIME TO SHINE!」という前向きなタイトルとは裏腹に、作品にはどこか消極的で淡々とした雰囲気が漂い、セールスマンたちもみな商売熱心には見えないのはなぜか。
緻密に描き込まれた画面から、その理由を探してみてはいかが。
ヘルナン・バス「TIME TO SHINE!(The salesmen)」
会期/2026年9月9日(水)~11月11日(水)
会場/ペロタン東京
住所/東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル11F
料金/無料
時間/11:00~19:00
休館/日・月曜日
TEL/03-6721-0687
URL/www.perrotin.com/
Text:Manami Abe
